2005年04月16日

『世界音痴』穂村弘

[ Book]

先日,書店にてタイトルに惹かれて『現実入門』という本(エッセイらしい)をパラパラと読んでみたのだが,どうも面白そうだったので,同じ作者の第一エッセイを読んでみた.松山市立中央図書館所蔵.
内容だが,30代後半の独身,母と同居していて一人暮らしの経験はなく,献血をしたこともないが,夜中に菓子パンをもしゃもしゃ食べるサラリーマン歌人(当時)の著者による告白的エッセイ.

タイトルにもなっている「世界音痴」(多くの人にとって「自然」にできることが「不自然」になってしまう人のこととでも言えばいいの)の傾向が私にもあるので,ある部分は非常に共感できるのだが,ある部分は微妙な狂気を感じてしまい,読んでいて非常に怖かった.

こういう書き方をしてしまうと,すごく重苦しい本のように思われるかもしれないが,基本的には非常に笑える面白い本.
「世界音痴」の傾向を自覚している人は同病相哀れむために,そんな傾向を微塵も感じていない人は笑ってストレス解消のために読もう.