2005年05月04日

一草庵

[ Spot]

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自宅でごろごろとテレビを見ていたところ,CATVのニュースで一草庵の一般公開がとりあげられていた.
山頭火のことはよく知らないが,大学の近くにあることだし,内部の一般公開は年に数日しかないので(5月と11月に3日ずつ位?),ニュースでとりあげられるたびに「行っておかなくては!」と思うのだが,毎回機会を逸してしまう.

たまたま連休の谷間に大学まで行く用事があり,その用事が終わってもまだ時間があったので,この機会を活かして行ってみた.

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普通の民家の隣に,普通の民家のように立っているので(まあ,年季は入っているが),看板や句碑がないと見逃してしまうかもしれない.
普段の日だと,この建物の周囲を見るだけという,全くありがたみのない観光スポットなのだが,一般公開の日はこの建物の中に入ることができる.

ということで入ってみた.公開時間は16時までとあったのだが,15時30分くらいに行ったにもかかわらず,玄関の土間は来客者の靴で一杯だった.

入ってみたところ,縁側のほうでは山頭火についてなのか俳句についてなのか分からないが,かなり盛り上がっていた.
下手に話しかけられて「単に一般公開が珍しいから来てみた」ことがバレるとマズイな...
と思っていたら,人のよさそうなおじいさんが手招きしている.ヤバイ!

ビクビクしながら話を聞いてみると,線香をあげてくださいということらしい.いいんだろうかと思いつつ,線香をあげることに.
「山頭火居士」とだけ書かれた位牌に線香をあげる.その前には色々とお供えが備えられていたのだが,なぜか小銭がたくさん置かれた皿も一緒に並んでいた.お賽銭なのだろうか? 何か間違ってるような気がしないでもないが...

線香をあげ終わり,落ち着いて周囲を見回す.来客者は年配の方が中心かと思っていたら,比較的若めの人もちらほらといた.
その若めの人が何か書いているなと思っていたら,ご婦人に声をかけられた.アンケートらしい.なるほど,あの人もこれを書いているわけか.

アンケートを書く前に室内の展示を見ることに.といっても,それほど部屋自体がそれほど広くないので,展示物もそれほど多くはない.しかも山頭火のことをよく分かっていない私にとっては猫に小判な物ばかりだった.

とりあえず壁に貼られていた年表を読んで,山頭火に少しは詳しくなろうかと思ったのだが,立ち止まって読んでいるとガイドの人(ボランティアらしい)に話しかけられて,「山頭火のことは何も知らない」ことが露呈してしまうと恥ずかしいので,年表を読むのも早々に切り上げ,アンケート(使用した交通機関とか一般公開の日数などについて)を記入,そそくさと帰ることに.

帰り際,ボランティアのご夫人がお茶を淹れてくれていたので,飲んでいくように勧められたのだが,ここでお茶を飲んでしまうと「展示もほとんど見ないでお茶だけ飲んで帰る」ことになってしまうので,丁重に断った.

やっぱり,この手の文化的なスポットに来るときには,最低限の予習をしておかないと,心理的に卑屈になってしまうなあ.
次の一般公開は11月だが,もしもそのときに行くことがあるようなら,そのときは予習をしてから行くことにしよう.