2005年06月08日

約20個の質問 その後

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一部方面で多大な反響を呼び起こした人工知能研究所だが,運営が中止されてしまった.

あちこちの有名サイトで取り上げられた結果,サーバおよびネットワークの負担が半端じゃなくなってしまったのが理由ではないかとしている人もいる.

しかし,有名になった結果,変な情報を入力する人が多くなってしまい,そのために当初の目的(=正解率を上げるための学習)がうまくいかなくなったのが本当の理由じゃないだろうか.

アプローチも目的もちょっと違うのだが,利用者が登録することによって情報の精度を上げようとする試みとしてフォークソノミーというのがある.folks(群衆)+taxonomy(分類学)の合成語なのだが,「集団で寄って集って分類しよう」という感じの意味だ.

フォークソノミー系サービスにはいくつか種類があるのだが,有名なものとしてFlickrというオンライン写真アルバムサービスがある.
これは単に画像データを登録・保管するだけのサービスではなく,登録した画像にタグ(=属性)を複数設定することができ,その属性(例:dogとcarとか)で画像の検索ができたり(googleのイメージ検索みたいな感じ),その画像を介して他の人とつながったりできるらしい(Blogみたいなもの?).

人工知能研究所の今回の顛末からすると,フォークソノミー系サービスでも変な情報が登録されることによって情報の精度が落ちてしまった結果,サービス自体が破綻してしまうう可能性はある.

しかし,人工知能研究所のサービス(実験?)が興味本位&匿名で利用されるのに対して,フォークソノミー系のサービスは,自己利益本位(=自分のために登録した情報を共有しましょう)&登録制が基本になるため,変な情報を登録する人はあらかじめ除外できそうだ.

やっぱり,長期的に持続可能なシステムというのは,個人の利益につながるような仕組みを持つ必要があるということなんだろうなあ.