現在,出張直前の冷蔵庫整理期間中ということで,冷蔵庫に残っていて日持ちがしそうにないものを重点的に食べ飲みしている真っ最中.
そんな時,ノイリープラットのロックとマティーニ(もどき)2杯を飲み終えて,いい加減でき上がった状態で冷蔵庫を開けたところ,牛乳とオレンジジュースが目に留まった.
「これも飲み切らなあかんけど... 混ぜたら美味しいかな?」
発想が既に酔っ払いモードである.
しかし,まだ理性が残っていたようで,頭のどこかで警告が発せられた.
牛乳(のタンパク質)+オレンジジュース(の酸)
=変性して凝固したタンパク質+その残り=マズイ!
そうだよな,やっぱりマズイよな...
しかし,酔っ払いモードはしつこかった.
「ちょっと待て,お前は大阪名物ミックスジュースを忘れてしまったのか?!」
最近では缶ジュースとして全国発売されて全国的にも有名になったが,大阪には「ミックスジュース」という伝統的な飲みものがある.
ネットで検索すると色々なレシピが出てくる.バナナや桃,リンゴ,パイナップル,さては卵まで,色々な種類のミックスジュースが世の中には存在しているようだ.
しかし,私が小学校のときによく飲んでいたミックスジュースは「牛乳と缶詰ミカン」だけというシンプルなものだ.
今から考えると,あの店のミックスジュースの「ミックス」って「複数のフルーツをミックス」じゃなくて,「ミカンと牛乳をミックス」だったわけで,少々騙されてた感も無きにしも非ずだが,このシンプルなレシピでも十分にミックスジュース感は味わえる.
「缶詰とジュースの差こそあれ,主成分は同じなはず.
ならば牛乳とオレンジジュースを混ぜればミックスジュースになるはずだ!」
酔っ払いモードの暴走である.
どうせ混ぜるなら本格的に混ぜようということで,先ほど使ったシェイカーを再度準備.
牛乳とオレンジジュースを1:1の割合でシェイカーに投入.
さあ,混ぜろ!
シャカシャカ
シャカシャカ
シャカシャカ
うーん,こんなものかな.
普通のカクテルならキャップをとって氷はシェイカーに残すんだけど,ミックスジュースには氷が付き物ということで,ストレーナーを外して氷ごとグラスに移すことにした.
で,ストレーナーを外したところ...
思わず爆笑してしまった.
表現するのが難しいが,シェイクによって生じた泡がちょっと固形化していたようで,消えずに盛り上がっていたのだ.
まあ,とりあえずグラスに移してみよう.
やっぱり泡がなかなか消えない.
それに中身がちょっとモロモロしている.やはり酸によってタンパク質が変性して凝固しているようだ.
やっちゃった感を漂わせつつ,とりあえず飲んでみることに.
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ミックスジュースの味だ...ちょっと牛乳の量が多かったようで牛乳っぽいけど,間違いなくベースの味はミックスジュース.
しかし,食感が全然違う.
ミックスジュースは「サラサラ滑らかな食感」というよりも,「ちょっと固形分が残っていてザラザラしている食感」,誇張すると「とても薄い流動食みたいな食感」だ.
今回のこの液体,確かに固形分が残っている感はあるのだが,ミックスジュースのような果実分由来の固形物とは食感がまるで違っている.
比率を調整すれば,味はミックスジュースにかなり近づくような気がするけど,この食感の違いはどうしようもないだろうなあ.
ということで,牛乳とオレンジジュースでは,タンパク質凝固のためにちゃんとしたミックスジュースを作ることは不可能っぽいことがわかった.
しかし,普通のミックスジュースではタンパク質凝固はどうなっているのだろう?
もしかして,普通のミックスジュースでもタンパク質凝固は起きているけど,果実分由来の固形分のために,それが目立たないだけなんだろうか?
それとも,シロップ漬け&缶詰にされた時点で酸はかなり弱まっているので,そもそもタンパク質は凝固していないのか?
缶詰じゃない普通のミカンと牛乳をミキサーにかけて作ったミックスジュースを飲めば真実に近づけそうだけど,うちにはミキサーがないから,確かめようがないなあ.