2005年11月28日

下鴨神社

[ Spot]

先日の出張の際に京都大学で研究会があったので,そのために京都に行った.
わざわざ京都まで行くのだから,京都大学以外にも行ってみようということで,地理的・時間的に行けそうなところを調べてみた.
すると,下鴨神社くらいしか条件が合うところがなかったので,下鴨神社に行ってみた.

あまり下調べをしていったわけではないので,出町柳駅で掲示されている地図で場所を確認.とりあえず鴨川にそって北上すればいいらしい.

下鴨神社の周辺には糺(ただす)の森という,京都が拓かれる前からの原生林が残っているらしい.
原生林というくらいだからスゴイ森なんだろうなあ,などと考えつつ移動していると,森っぽいところを発見.早速入ってみると,それほど木は生えていない.
木は生えていないのだが,山のように古びた自転車が置いてある.さすがは千年の都,そんなに昔から自転車があったのだなあ...などということはもちろんない.
そこは糺の森ではなく,単なる公園で,その中に放置自転車が山のように保管されていただけだった.

その自転車公園を抜けて,ちょっと歩くと,本当の糺の森の入り口があった.

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原生林というくらいだからスゴイ森なんだろうなあ,などと考えていたら,いきなり建物があった.どうやら正面入り口ではないところから入ってしまったようだ.

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建物横にあった看板を読んでみると河合神社というところで,方丈記で有名な鴨長明ゆかりの神社とのこと.

中には複数の建物があり,それぞれに説明書きがあるのだが,一番面白かったのがコレ.

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方丈記の書名の由来になった鴨長明の住まいである方丈を復元したものだ.
やはり説明書きがあったので読んでみると,今の基準でいくと5.5畳くらいの広さとのこと.この5.5畳というのはバス・トイレを含まずの広さ(囲炉裏は含んでいるのでキッチンは含むのか?).現在の私の住居の生活空間が約5畳なので,ちょっと親近感を覚えてしまう.
で,驚いたことにこの建物,分解組み立て式.住んでいるところに飽きたら,家を分解して持ち運び,気に入ったところで再び組み立てるのだという.うーん,全然知らなかったぞ.
この構造のヒントになったのが,下鴨神社が21年ごとに遷宮することなのではないかと書かれていたのだが,そのことも知らなかった.

他にも鴨長明ゆかりの展示があるらしいのだが,拝観料が必要ということなので,見ないで河合神社を出る.
しばらく歩いてゆくと本道に合流.そのとなりに小川が流れていた.
そういえば,先ほどの説明に鴨長明ゆかりの小川があると書いてあったなあ.
鴨長明ゆかりの小川というと...「ゆく川の流れは絶えずして」の,あの「川」か! これは撮影せねばなるまい!

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と,張り切って撮影したところで,ほとりにあった説明書きを発見.
読んでみると,「ゆく川の流れは絶えずして」の川ではなく,「石川の瀬見の小川の清けれはつきも流れをたつねてそすむ」という和歌に出てくる「瀬見の小川」というものらしい.そんな和歌,聞いたことがないぞ...

ちょっと残念に思いつつ,本道を歩いていく.

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うーん,原生林でイメージするような鬱蒼とした森ではないけど,適度に雑然としていて言い感じの森だなあ.散歩するのに良さそうだ.

そのまま進んでいくと,立派な鳥居を発見.

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森の緑に目が慣れた後に,この鳥居の朱色は鮮烈だなあ.
鳥居をくぐって境内へ.お守りや各種グッズを売っている社務所や平安貴族の撮影シーンを見てから,立派な楼門をくぐる.

神社といえば神々の住まいなので,下手に写真を撮るのは遠慮したほうがいいだろうということで,ここからは写真はナシ.

境内は七五三や結婚式でにぎわっていた.七五三はともかく,文化財(さらには世界遺産でもある)で結婚式というのもおかしな話のような気もしたが,神社というのは本来は宗教施設なのだから,結婚式などの祭事を行うのは当然のことなんだろう.

境内には色々な社があったのだが,その一つとして御手洗社という社と「みたらしの池」という池があった.
説明書きによると,この「みたらしの池」が「みたらし団子」の発祥の地らしい.そういえば,どこかの灯篭に「みたらし団子」だか「みたらし茶屋」だか書いてあったな.これは食べねばなるまい.
ということで,神社を出て駅方面に戻りながら,みたらし団子を食べられる店を探してみたのだが,残念ながら見つけることができなかった.
この記事を書くために検索してみたところ,加茂みたらし茶屋というところが老舗らしい.残念.