2007年03月24日

卒業式2007

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3/23は愛媛大学の卒業式があった.
この2007年の卒業式,私にとっては初めてのゼミ生が卒業する卒業式.

初めてのゼミ生だったわけだが,諸般の事情で,自分が思うようなことを十分にできなかった.これについては非常に申し訳ない気持ちでいっぱい.
後悔することは色々あるのだけれど,一番の後悔は「『自分の認識』を十分に伝えることができただろうか?」というもの.

まがりなりにも「先生」と呼ばれる職業についているわけだが,「教科書に載っている事柄」を覚えるためだけなら「先生」は特に必要でない.
もちろん,事柄を覚えるのを助けるのは「先生」の役割のひとつではあるので,そういう教科書に載っている事柄をリミックスして教えていくことも重要.

でも,本当に大切なのは,そういう「事柄をリミックスするための方法」や,その背景にある「世界に対する考え方」など,私が言うところの『認識』を豊かにするのを助けることなんだろうと思う.
この『認識』は人それぞれであって,これこそがその人をその人たらしめているものなんだと思う.なので,教科書に載っている事柄のように正解がきっちり決まっているわけでなく,どれが正しいのかという判断もできない.
でも,他の人の『認識』に触れて,それを意識的にあるいは無意識のうちに取り込んでいくことで,自分の『認識』はより豊かなものになっていくのだと思う.

私はそれほど「熱い人」ではないし,全分野についての『自分の認識』に自信があるわけではないので,私の専門分野についての事柄とそれに付随する『認識』を伝えるにとどめようと意識して学生さんに接しているのだが,それも十分にできたかどうかについては,かなり疑問ではある.
まあ,今回の後悔を二度と経験しないように,これからは努めていこう.


今回,初めてのゼミ生以外にも,仲のいい学生さんが大挙して卒業してしまう.
出身地域が比較的かたまっている小・中・高校と違って,大学は出身地域がバラバラなので,それぞれが自分の道を進んでいくこれからは,これまでのように会えなくなってしまうのはどうしようもない事実.
だけど,お互いがそれを望んで努力し,それが必要なことならば,また会うことはできると思う.
再び会うそのときには,もうちょっとうまく『自分の認識』を伝えられるようになっていたいと思う.


・おまけ
どうやら学生さんによる私のイメージは「酒呑み」らしく,シェイカーとグラスをいただいた.

Sotugyou2007.jpg

非常に嬉しいのだけれど,そういうイメージなんだ...