2008年02月07日

加ト吉のTOB

[ Experience]

株主優待関連で記事を何度か書いていることからも分かるように,私は加ト吉の株主だった.
といっても,加ト吉の冷凍うどんが美味しい&優待のパックご飯をもらいたい&株式分割を経験したいという,いちおう経営学を教えている身としては表だって言えないような理由で株を買ったクチ.

なので,特に見通しを持つこともなく,買ったままずーっと持ち続けていたのだが,循環取引が発覚したり,ミートホープ社の食品偽装に巻き込まれたりで,株価は買値の半額近くにまで暴落してしまった.

まあ,10年も持ち続けていれば株価も回復するだろうから,それまでは優待のパックご飯をもらって損失の穴埋めをしようと思っていたところ,冷凍食品議場を強化したいJTがTOBを発表した.

TOBというのは,私が大学生の頃は「敵対的買い付け」と訳されていたのだが,最近では「株式の公開買い付け」と訳されている.つまり,ある企業の株式を株式市場を通さないで購入することだ.

市場を通さない取引なので,「うちはこれくらいの値段で買いますよ」という募集を行うのだが,そのときの株価よりも高い価格で買い付けることがほとんど.今回のJTによるTOBも,当時は400円を切るくらいだった加ト吉株を1株710円というプレミア付き価格で買い取るという.

KatokichiTOB_6.gif

発表直後,低迷していた株価は一気に上昇,710円をすこし下回る程度で安定した.

で,このTOBなのだが,持っていればそのまま応募できるというものではない.
特定の証券会社に預けている株式だけが買い取ってもらえる.以前,このことを知らずにTOBのチャンスを逃し,みすみす利益を逃したことがある.
その株を証券会社間で動かすのが面倒&手数料がかかるので,今回は市場で売却してしまおうかとも考えたのだが,今回の幹事証券会社は野村證券,私が口座を持っている証券会社だったので,話の種にやってみることにした.

まずは,

KatokichiTOB_1.jpg

こういう封筒が自宅に届いたので,その中の印刷物を読む.
ふむふむ,野村證券に書類を取りに行かなければならないのか.面倒だなあ,最初から送ってくれればいいのに.
ということで,

KatokichiTOB_4.jpg

野村證券に行き,

KatokichiTOB_2.jpg

公開買付説明書と応募申込書をゲット.
必要事項を記入した上で,

KatokichiTOB_4.jpg

再び野村證券へ.ううっ,面倒だなあ,やっぱり市場で売却すれば良かったかも.

受付で番号札を受け取り,待つことしばし.番号を呼ばれたので,ブースへ.

KatokichiTOB_5.jpg

うーん,こういうところで接客してもらえると,何だか偉くなった感じがするなあ.
必要事項と印鑑の確認だけして,申し込み完了.
これまでの手間に比べると,えらくあっけないもんだな.

その数日後,今回のTOBが成立し,JTが加ト吉の株式の約94%を保有することになった.それまでの持ち株が5%程度だったので,90%近くの株式を今回のTOBで集めたことになる.まあ,それまで400円程度だった株を約700円で購入してくれるわけだから,それはTOBに応募するよなあ.

と,ここまでが昨年12月末までのこと.
すぐに記事にしようと思っていたのだが,いろいろ忙しくて記事を書く時間がなかなか取れないまま,かなりの時間が経ってしまった.さすがに今からTOBの記事は書きにくいなあ.

などと思っていたら,買収先のJTが毒餃子事件に巻き込まれて,株価が暴落中.

KatokichiTOB_7.gif

予定していた日清食品を交えた冷凍食品事業の統合も白紙になってしまったという.
TOBの前にこの事件が起きていたらTOB自体も無かったかもしれないなあ.

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