京都の四畳半で大学生活を送る「私」.これまでの無為に過ごしてきた2年間大学生活を思い返す.
新入生のときに興味を惹かれた4つのサークル勧誘.
映画サークル「みそぎ」,「弟子求ム」という奇想天外なビラ,ソフトボールサークル「ほんわか」,秘密機関<福猫飯店>.
あのとき,別のサークルを選んでいれば「バラ色のキャンパスライフ」を手に入れることができたかもしれないのに...
2007年にブレイクした森見登美彦の第2作.三津浜図書館所蔵.
最初に読んだ『きつねのはなし』がホラーっぽい話だったのに対して,本作は青春コメディとでも言うべき作品で,どうやらこちらの作風が本筋らしい.
『きつねのはなし』と同様,京都が舞台になった作品で,登場人物や舞台設定,イベントが共通しているが,微妙に違った世界を描いた4本の短編からなる短編集.
冒頭にも書いたように,どのサークルを選ぶかでストーリーが違っているのだが,基本的にどの短編でも同じようなイベントが起きて,同じような結末に辿り着く.それどころか,作中の描写もまったく同じブロックがあったりするので,ある意味では手抜き作品.
おかげで,読むのを中断してから再開する時にページを間違ったことがあったのだが,かなり読み進めるまで気がつかなかった.
ネットで感想を検索してみると,その繰り返しが嫌な人もいるようだが,個人的には面白かった.
『きつねのはなし』よりも圧倒的に好みなので,同じような作風の『夜は短し歩けよ乙女』も期待大だな.
で,その『夜は短し恋せよ乙女』にはこの作品の登場人物も出てくるらしいのだが,さて,どの話の登場人物なんだろう?