2005年05月27日

『ワイド版 風雲児たち 全20巻』みなもと太郎

[ Book]

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今回の大阪出張の成果の一つ.

以前から『風雲児たち』という漫画の存在は知っていた.
歴史ギャグ漫画であり,もともとは幕末を描く予定だったのだが,そのためにはアレも描いておかなければ,コレも描いておかなければ...ということで,結局は関ヶ原から話がスタートし,いつまで経っても本来の目的である幕末に辿り着かないということで有名だったからだ.
あと,横山光輝の『三国志』を読むと,巻末にちょっとだけ宣伝が載っていたことから(同じ雑誌に連載されていたため),名前は知っているという人も多いと思う.

とはいえ,歴史ギャグ漫画というカテゴリー自体が謎だったし,絵柄的にもイマイチだったので,長い間読んだことがなかった.それが,たまたま読む機会があったのだが...

めちゃめちゃ面白い!

今まで「食わず嫌い」ならぬ「読まず嫌い」だったことを後悔するとともに,そのおかげで20冊まとめて読めたことに感謝してしまったくらい面白かった.

絵柄も表現も完全にギャグ漫画だし,中のギャグにも時事ネタが多数混じっているので,そういうのがダメな人には絶対に受け付けないだろうけど,そのハードルを越えると,これがめちゃめちゃ面白くい.
そのせいで,一度全巻読んでしまったため,既に内容は知っているにも関わらず,出張を利用して全巻揃えてしまった.しかも私には珍しく,古本ではなく新刊で.
まあ,できれば古本で揃えたかったのだが,古本を気長に漁って揃えるとなるとかなりの時間がかかりそうで,それを待ってられなかったのだ.

何が面白いのかというと...一言では表現できない.とりあえず読んでくれとしか言いようがないのだが,この面白さというのは単純にマンガとして面白いというのではなくて(もちろんマンガとしても面白い),歴史というものの面白さを非常にわかりやすい形にしているのではないだろうか.
本シリーズで描かれている人物や事件のなかには教科書にも載っているものもあるのだが,教科書では一行(下手すると数語)で終わるようなことが,その詳細やその原因,さらにはそれが後世に残した影響までとりあげられていたりする.
今回購入した単行本には帯に各界の著名人の推薦文が載っており,その多くは「この本を教育に使える!使うべきだ!」というものなのだが,全面的に賛成だ.

で,ワイド版で20巻を費やして,ようやく幕末に至った(編集者に急かされて,かなりのエピソードを省略したらしいが).
こちらの『風雲児たち 幕末編』も既に6巻まで出ているが,こちらも面白い.というか,早く続きを出してくれぇぇ!


おまけ.
今回の大阪出張でワイド版20巻+幕末編6巻の計26巻を大人買いしてきたわけだが(約17000円),おかげで帰りのカバンが重くて仕方がなかった.