2005年11月10日

『秘密 1-2巻』清水玲子

[ Book]

その清廉潔白さから「神父」とまで言われたアメリカ大統領が休暇中の別荘で刺殺された.
その事件の重大性から,死者の脳からその人の見ていた映像を映し出すMRIスキャナーを利用した捜査が行われることになる.
音声までは再生できないMRIスキャナーを補うため,読唇術のスペシャリストであるケビンが捜査に協力することになるが,そこで彼が見たものは...

学生さんが面白いと言っていたので松山市立中央図書館で借りてきたマンガ.

冒頭に紹介したのは1巻の最初にある話で,これがかなり良かった.

期待して次の話を読んでみたところ...
舞台は日本になってるは,登場人物は全く違うはで,MRIスキャナーを捜査に使うという設定以外は全く別の話.同じ顔の登場人物は出てくるけど,どう考えても別人だし...

でも,まあ,1話と同じようなテイストならいいかと思って読み続けたところ...

『多重人格探偵サイコ』だったのか...

いや,別に多重人格者とか謎の秘密結社が登場するというんじゃなくて,グロい死体の描写が結構出てくるのだ.
グロいといっても,血みどろのドロドロとかじゃなくて,精密な人体解剖図や生物標本みたいな感じなので,人によってはグロいと思わずに,むしろキレイと感じる人もいるかもしれない.
でも,個人的にはこの手の描写の方がダメなので,結構ダメージをくらってしまった.1話にはそういうのが全くなく,何の心の準備もなかった状態で見てしまった分だけ余計に.

話としては非常によくできており,そのまま映画化しても十分通用すると思う(かなりショッキングな映像満載になりそうなので私は見れないけど).
ネットで検索すると,特に2巻の前半の話(後輩の体を捜す話)を評価している人が多いのだが,個人的には2巻の後半の話(家族惨殺の話)のストーリー展開が「おおっ,そうきたか!」という感じで良かった.
でも,個人的には1話のテイストで書き続けて欲しかったなあ...


・おまけ
今のところ2巻まで出ているのだが,掲載誌を変えて現在新作を連載中...だったのだが,作者妊娠のために休載中らしい.まあ,胎教には悪そうだしなあ.