2006年03月22日

『ザ・サーチ』ジョン・バッテル

[ Book]

副題は「グーグルが世界を変えた」.
表紙を写真に撮って載せることも考えたが,ちょっとグレーなのでamazonで見て欲しい
本体のみだと白地に黒の太ゴシックで本題,青字で副題というシンプルな表紙になっているのだが,本体と一体化された帯つき(googleのカラフルなロゴつき)だと,ここに掲載されている書影になる.

この副題で,この書影.どう考えてもグーグルという企業についての本だろうと思って読み始めた.

しかし,読み始めてみると,本題の「ザ・サーチ」の方が本書の内容を正しく表現していた.
もちろんグーグルについての記述が一番多いのだが,グーグルだけでなく,検索エンジン全体,というかネット時代の検索全般についての本だった.

検索エンジンを扱った本といえば,『検索エンジン戦争』という本を読んだことがある.
あちらはSEOに関するテクニカルな説明も多かったが,本書にはSEOについてのテクニカルな説明はほとんど無く,その分,開発者や創業者の記述やネット業界における比重の移り変わりの説明などが多くなっている.
内容的に重複するところも多いのだが,視点や重点の置き方が違っているので,両方併せて読むといいと思う.

読み終わっての感想だが,本書の多くを占めているグーグルについては,グーグルもちょっとずつ変わり始めているんだなあというもの.以前からGoogleデスクトップをインストールするのには二の足を踏んでいたのだが,その感がますます強くなった.

で,もう一つ.本書の副題は「グーグルが世界を変えた」であり,確かにそのとおりだと思う.
グーグルは色々な点で世界に大きな影響を与えているが,その中でも一番でかいのは実はAdSenseという広告プログラムとそこからの派生が予想されるものじゃないかと最近になって思いつつある.
その原点ともいえるのがOverture(正確にはその前身であるゴートゥー・ドットコム)なのだが,このOvertureのついて詳しく知れたのが収穫だった.