2007年03月23日

『比類なきジーヴス』P.G.ウッドハウス

[ Book]

イギリスの上級階級の一員で,働かずにブラブラと生活をしている「バーティー」の元に,今日も友人や従兄弟がトラブルを持ち込んでくる.そんなトラブルを執事の「ジーヴス」が見事に解決していく...

『犬は勘定にはいりません』を読んで興味を持った作品.松山市立中央図書館所蔵.

日本ではそれほど知られていないが,英語圏では非常にメジャーなシリーズらしく,アメリカの検索エンジンにAsk Jeevesというのがあったくらい(現在は名前が変わっている).

さて,その内容なのだが冒頭の紹介のとおり.
本作は連作短編集なのだが,それぞれの短編は

1.外からトラブルが持ち込まれる
2.主人公が解決しようとしてドタバタする
3.ジーヴスが手を出して解決する

というパターンが踏襲されている.
なので,マンネリといえばマンネリなのだが,20時45分に印籠が出てくる『水戸黄門』みたいなもので,これはこれで面白かったりする.
当時(ヴィクトリア朝?)のイギリスの風俗が分かっていれば,もっと楽しめたんだろうなあというのがちょっと残念.

あと,冒頭に「日本ではそれほど知られていない」と書いたが,数年前に出版ブームが起こったようで,本作もその際に出版されたもの.
しかし,手に取るにあたって問題が一つあった.読む順番が分からないのだ.
今回読んだのは国書刊行会の「ウッドハウス・コレクション」の第一弾なのだが,これがジーブス物の第1巻というわけではないらしい.
でも,実際に読んでみると,このシリーズなら特に順番に読まなくても大丈夫な気がしてきた.


・おまけ
水戸黄門が印籠を出す時間を調べていたところ,こんな調査結果がヒットした.
面白いことするなあ,シチズン時計.