2004年06月05日

電脳歯医者

[ Spot]

ひょんなことから歯医者に行く必要が生じた.

大学に着任して以来,何度か歯医者にはお世話になっているが,常に同じところに通っている.そこを最終的な理由は通勤(通学?)途中にあったからという単純なものだったのだが,後で聞いてみると評判もいいらしい.

今回もそこにお世話になったのだが,以前通ったときに比べると外観が新しくなっていた.まあ,これは通勤途中に何度も見ていたので当たり前なのだが,それ以上の驚きが内部には待っていた.

外観だけでなく,内装もキレイになっていたのだが,そんなことでは驚かない.
驚いたのは,診察台(というのか?)に液晶モニタが装備されていたことだ.しかも,そこではピーコがファッションチェックをしていた.つまり,TVが映っていたのだ.

看護婦さんは「これを見てお待ちください」というのだが,診察台に座って待つ時間なんてほんのわずかだ.そのためにこれだけの設備を投資したのか,しかもNANAO(EIZO)だぞ,このモニタ.もっと有効利用するからタダで譲ってくれないかな...

などと考えているうちに看護婦さんが再びやってきて,写真を撮るので移動してくれという.ひょこひょこと別室に移動してレントゲン撮影をこなし,ふたたびピーコのファッションチェック観賞に戻る.うーん,このおばさん派手だなあ...

などと考えているうちに看護婦さんが三度やってきて,何かを操作.ああっ,ピーコのファッションチェックが消えた!
そして,消えてしまった派手なおばさんの代わりに,モニタにはWindowsのアプリケーションの画面が.なるほど,PCのモニタが本職で,ピーコのファッションチェック,じゃなくてTVを映すのは副業だったのか.しかし,モニタに何を映すんだ,カルテなんか映しても意味が分からんぞ?と思っていたら...

なんとアプリケーション上には,先ほど別室で撮ったレントゲン写真が映ったではないか! おおっ,問題の歯の横にあるオヤシラズまでくっきりと!

などと感動に打ち震えていると,先生がやってきてモニタ上を指し示しながら色々と説明してくれた.そういえば,以前もレントゲン写真を見せてくれながら色々と説明してもらったなあ.
でも液晶モニタを使うほうが明るいしサイズも大きいし,病院側も写真の管理や処分が楽になるからいいよなあ.

などと考えているうちに歯の治療は刻々と進行していった.最後に治療した歯をしばらく噛み締めておいてくださいということで,その間の暇つぶしなのだろう,レントゲン写真は再びTV画面に戻された.なるほど,こういう用途にも使えるわけか.
確かにこれは便利かもしれない.有効活用するから譲ってくれなどと考えた私が愚かでした.このモニタはここで十分に活用されております,このままバックライトが天寿を全うするまでバリバリと映像を映し続けてください,などと殊勝なことを考えながら歯医者を後にした.


しかし,歯を噛み締めて身動きが取れない状態で,ピーコが派手なおばさんのファッションをチェックするのを見せられるのは(しかも至近距離で!),ある意味拷問だったと言えよう.しかも,最後は強烈な性格をしたオバチャン・カルテットだったし...