2004年06月22日

『脳男』首藤瓜於

[ Book]

第46回江戸川乱歩賞受賞作.
警察がようやく突き止めた爆弾魔のアジトで,犯人と格闘していた謎の男.
警察はその男「鈴木一郎」を爆弾魔の共犯として逮捕し,「鈴木一郎」は精神鑑定にかけられることになるが,そこで判明した意外な事実は...

ザッと眺めたところ,舞台が精神病院っぽい上(これは誤解だった),表紙がホラーっぽかったので,これは怖い話に違いないと思っていたのだが,中身は全然違っていた.

中身は面白いことは面白いのだが,一番インパクトがあったのがタイトルであり,しかもタイトルの由来が少々ムリヤリというのが残念といえば残念.
読了後,なぜか映画の『ダークマン』を思い出してしまった.

あと,この本を読んではじめて知ったのだが,江戸川乱歩賞って,芥川賞や直木賞みたいに既存の作品に与える賞ではなく,書き下ろし長編を募集して選ばれた作品に与える賞だったのね.ということは,新人作家の登竜門みたいな位置づけなんだろうか.