2004年07月13日

続・イージーオーダー

[ Experience]

そろそろ夏休みも見えてきた今日この頃だが,ゴールデンウィークの最初に作りに行ったイージーオーダーの背広(詳しくは2004/4/29を参照)をようやく取りに行った.
物自体は5月末にはできていたはずなのだが,「特に急いで着る用事もないし」と取りに行かないまま今までズルズルと過ごしていたのだ.
しかし,一緒に作りに行った人が既に取りに行ったというので,では私もというわけだ.
ちなみに,その人は取りに行った際に試着させてもらったらしく,「やっぱりオーダーメイドの背広はピッタリだよ」と相変わらずオーダーメイドの背広の良さを力説してくれた.

相変わらず19時には閉店してしまう松山の百貨店の現状を嘆きつつ,18時半くらいに三越へ.
採寸などをしてもらったのは7階だったので,エスカレーターをずんずん上っていったのだが,何気なく取り出してみた引換券には引き換え場所は4階とあった.うーん,既に5階なんですが... 仕方ないので調理機器コーナーなどをひやかしつつ,4階へ逆戻り.

4階は紳士服売り場.ブランド物をほとんど知らない私でも知っているような名前があちこちに掲げられている.場違い感を味わいつつ,引き換え場所に指定されているコーナーを探す.階を半周しても見つからない.仕方ないので地図を見たところ,もう少し探せば自力で見つかるところだった.

ちょっと挫折感を味わいつつ,そちらのコーナーへ.高級そうな4階のなかでも,色々な生地が多数揃えられている独特の雰囲気のため,特別に高級そうな一角だ.そこにラフな格好(ほとんどパジャマに見える巨大なシャツにジーパン)で向かう.さらに場違い感が高まっていく.
まだコーナーに足を踏み入れる前から,目ざとい店員さんに見つけられ,恭しく出迎えられる.しかも二人だ.いや,そんな大層に出迎えてもらわなくともいいんですが...

引き換え券を渡したところ,「どうぞソファにかけてお待ちください」とのこと.頼んだものを取りに来ただけなのにソファにふんぞり返るのも変な気がしたので,店内を見物してみる.
生地が触れるようにディスプレイされており,値札に生地の種類と値段が書かれている.へえ,4万円の生地って普通にあるやん...って40万円やん!
目を疑いながら,値札を片っ端からチェックしていったところ,10万円くらいは当たり前で,発見できたいちばん安い生地で5万円強だった.だとすると,今回作った4万円弱って...いや,それでもいつも着ている背広の2倍くらいのお値段なんですけど... やっぱり場違いだったんだ,こんなところくるべきじゃなかったんだと後悔に打ち震えていたところ...

「お待たせしました」と奥から店員さんが背広を抱えてやってきた.

店員「今日はお車ですか?」
私「いえ,自転車です」
(心の声:すみません,そもそも免許さえ持ってないんです)

店員「ご試着なされますか?」
私「いえ,結構です」
(心の声:ごめんなさい,それよりも早くこの場から開放してください)

店員「こちらトモヌノになっております」
私「あ,ありがとうございます」
(心の声:そんなのもらっても使えません,許してください)

店員「着てみてお気づきになった点がございましたら,またご連絡ください」
私「はい,わかりました」
(心の声:そんな,滅相もございません,文句などあるはずもございません)

最高潮にまで高まった場違い感の中,店員さんの「ありがとうございました」の声を背中にうけながら,そそくさと逃げ出すのであった.

ちなみに,閉店間際のためか,それとも売り場の性質のためか,どう考えてもお客さんよりも店員さんの方が多かった.
で,その店員さんたちは,背広の袋を抱えた私を見るたびに「ありがとうございました」と恭しく頭を下げてきた.さすがは百貨店,店員教育が充実してるなあと思いつつ,「いえ,この中身は,あの売り場では最低ランクのさらに下のものなんです...」と罪悪感を感じるのであった.

罪悪感に苛まれながらも,とりあえず帰宅.色々と用事を済ませた後,とりあえず袋は開けてみたが,まだ袖は通してない.さて,この背広を着るようなイベントが次に起こるのはいつのことやら.そして,そのイベントの後には,私もオーダーメイドの背広の素晴らしさを力説する人間になってしまうのだろうか?
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せっかくなので,デジカメで1枚取ってみた.照明の関係で色が紫っぽく見えるかもしれないが,実物は落ち着いたグレイのはず.端っこに写ってる趣味の悪い柄のカーテンは気にしないでもらいたい(遮光カーテンで非常に安かったのです).
easyorder.JPG