2004年11月16日

『投資情報のカラクリ』切込隊長@山本一郎

[ Book]

これまでの記事の中でも株主優待の話題が時々出ているが,私も社会人の端くれとして株式投資に少々手を染めている.
株式投資にはさまざまなスタイルがあるのだが,私は色々と調べる&考えるのが面倒くさいし,銀行利率よりも高い程度のリターンを得られればいいという考え方をしている.
なので,配当&株主優待重視で銘柄をスクリーニングし,できるかぎり株価が変動しないか,割安だと思われるものを購入,それを売らないというスタイルでやっている.それっぽい言葉で表現すると,インカムゲイン目的でファンダメンタル重視,バリュー株中心のバイ&ホールド戦略をとっているわけだ.

本業が本業なので,きっと大儲けでウハウハなんだろうと考える方もおられるかもしれないが,経営・経済学関連の学者で金儲けをした人はほんのわずかであり,そういう意味では私も大多数を占める正しい経営学者の一員であるといえる.
というか,財務諸表をちゃんと読まずにいくつかの指標だけで適当に投資しているので,本業の知識の活かしようもないのだが...

で,ようやく今回の本題に入るわけだが,今回紹介する本の著者は,成長性重視で将来の株価値上がりを期待して投資するスタイルの投資家であると同時に,ゲームの制作やドラマの脚本などさまざまな分野で活躍している人で,2chの生みの親(育ての親?)の一人でもある.今回の本は本業の投資に関する本ということになる.

投資関連の本としては『美人(ブス)投票入門』に続いて2冊目になるのだが,1冊目同様,相変わらずふざけたような文章が目立つ.しかし,そこに書かれている内容は実は非常にスタンダードなものであったり,高度な知識と広範な情報に裏打ちされていたりする.
おそらく,学生さんでこの本の内容をちゃんと理解できる人は数少ないだろうが,分からなくても一とおり読んでおけば,きっと何かが残るはず.

そういう意味でも多くの人に読んで欲しいのだが,ここで紹介したのは「まえがき」と「あとがき」に素晴らしい一節があるから.
あとがきについては本になる前に切込隊長のBlogで公開されていたのだが,それを読んだときはモニターの前で感動に打ち震えてしまったし,本を読み始めてまもなく,まえがきの一節に遭遇したときには「隊長,ついていくっすよ!」と真剣に思ってしまったくらい.
引用しようかとも思ったが,結構な分量になってしまうのでやめた.
あとがきについてはまだ公開されているのでこちらで読めるが,まえがきについては本を読んでもらうしかない.今なら紀伊国屋書店に残っているようだから,立ち読みでもいいので是非読んでもらいたい.


おまけ
11/15は日経平均が2%くらい上がっており,ほぼ全面高だったわけだが,私が投資している銘柄の一つが10%近く下落していた.
なにごとかと思ったら,業績低迷のために前期の配当がなくなったそうだ.これまでも順調に下がっていたので,トータルで20%くらいマイナス.
この銘柄についてはどういう理由で投資したのかよく覚えていないのだが,消去法でいくと株主優待のお米に目が眩んだようだ.ううっ,高い米になりそうだよう...