2004年11月28日

『放課後の音符』山田詠美

[ Book]

『A2Z』に続く山田詠美の本,2冊目.
不倫小説(ってジャンルがあるのか?)だった『A2Z』と違い,こちらは青春小説で,高校生の「私」とその周囲の女子高生の恋愛を描いた連作短編集.

で,読んでいったわけだが...うーん,なんと言えばいいんだろうか...
「甘い」のとはちょっと違うな,「幼い」というのも違ってるし,「キザ」と言いたいような気もするが,それならむしろ「耽美」という方が近いような気もするし,うーん...
あえて表現するなら「三十路男が読むと『うきゃー!』となってしまう」感とでも言えばいいのだろうか...
まあ,面白さとは別の次元で,どうも違和感があるわけだ.

この違和感の正体は何だろうと思っていたのだが,作者によるあとがきの謝辞を見てちょっと納得.雑誌『オリーブ』に連載されていたのね(さすがに実際に読んだことはないが,こういう雑誌だったらしい).道理で三十路男が読むと「うきゃー!」となるわけだ.

ちなみに「音符」と書いて「キイノート」と読ませるのだが,「放課後の音符」を扱っている最終話の一つ前の話ではなく,最終話に「Keynote」というタイトルが使われている.
なので,これはやっぱり「放課後の音符(おんぷ)」ではなく「放課後の音符(キイノート)」じゃないとダメなわけだ.
しかし,男性読者だと気がつかないままの人もいるような気がするなあ.意味が分からない人は,最終話のキーアイテムと「ノート」で検索してみよう.