2004年12月23日

南蛮菓ざびえる

[ Goods]

先日のこと.
大分出身の学生さんが大分に帰省するというので,お土産を期待している旨を控えめに申し出たところ,大分土産でメジャーなものって何なんだ?という話になった.
その学生さん曰く,「ざびえる」というお菓子が存在しているという.
ザビエルとはフランシスコ・ザビエルのザビエルのことか?
なぜ大分でザビエル? ザビエルといえば種子島じゃないのか? 種子島って大分じゃないだろ? もしかして鹿児島に隣接していることを活かした便乗商法?
などなど,疑問の嵐が大発生したので,買ってきてくれることになった.ラッキー.

で,先日,その学生さんが持って来てくれたのがコレ.

xavier_1.jpg

写真では分からないだろうが,箱がビロード(?)張りになっており,しかも横から見ると逆台形の形状をしているという,非常に凝った造りになっている.
洋酒入りのチョコレートが入っていてもおかしくないような箱なのだが,よく見ると...

xavier_2.jpg

紋章(?)にしっかりと「ざびえる」とひらがなが入っていたりする.

中身はこんな感じ.

xavier_3.jpg

入っていたリーフレットによると,

xavier_4.jpg

九州の戦国大名として有名な大友宗麟の庇護の下,ザビエルは現在の大分で布教活動などを行っていたそうで,関連の建物なども多数存在しているらしい.そうか,大友宗麟って大分だったのか.
ちなみにホームページからも購入できる.URLはざびえる・どっとこむだ.素晴らしい.

と,当初はこれだけ書いて終わりにするつもりだったのだが,この記事を書くためにネットで「ざびえる」について調べたところ,イモヅル式に色々な情報が見つかった.

まずは「南蛮菓ざびえる」で検索したところ,以前の販売元であった長久堂が倒産してしまい,現在のざびえる本舗がそれを引き継いだらしいことが判明.

次に「ざびえる 長久堂」で検索したところ,思いがけないストーリーがそこには待っていた.
ざっとまとめると以下のようになる.

老舗のお菓子店であった長久堂だが,贈答品の多様化とそれに対応するために行った製品ライン増加の失敗の結果,2000年に自己破産.社員70人も解雇された.
しかし,当時の課長(現在の社長)を中心に従業員8名で「有限会社 ざびえる本舗」を設立,以前使っていた設備が使えない状況で試行錯誤を繰り返した結果,長久堂の味を再現することに成功.
商標に関する問題などもあったようだが,それも何とかクリアして発売にこぎつけた.

そして現在,ざびえる本舗の売上は長久堂時代の売上を超えるほどにまでなった.商標も正式に買い取り,製造能力拡大のために新工場も稼動している.

企業再生のケースとして授業で使えそうなくらいのサクセスストーリーだな.実際,色々なメディアにとりあげられており,WBSでも紹介されていたらしい.
もっと詳しく知りたい方は,ここ(新聞記事)とか,ここ(TV番組のまとめ)とか,ここ(支援制度の活用事例)をどうぞ.

そうそう,あの立派な箱に入っていながら500円程度しかしないそうだ.値段のわりに高そうに見えるし,こういう話も併せてしてやれば,大分土産に最適だと思われる.味も結構良いし.
しかし,味だけを追求するのであれば,同じ会社が作っている「瑠異沙(るいさ)」の方がオススメらしい(大分出身の学生さんの意見).