2005年01月07日

花びらもち

[ Goods]

正月休みも終わり,そろそろ授業開始が迫ってきた.
授業に備えて研究室で準備に四苦八苦していた夕方,同僚の教員が和菓子を食べないかと誘いに来た.
食べ物にありつける機会は見逃さないので,もちろん喜んでいただくことにした.
しかし,今ごろ和菓子が?と思ったら,学生さんのお土産だそうだ.

で,その教員は「ぜひ花びらもちを食べて欲しい」という.

花びらもち?

テーブルの上には2種類の和菓子があったのだが,片方は黒くて四角いもの(蒸しパン?)に栗が載っている.どう見ても花びらではない.

となると,もう一つの方か.こちらは白い餅っぽいもの(求肥)を二つ折りにして,その間に白あんぽいものと拍子木状のものが挟まっている.
こちらも「花びら」というのはちょっと苦しいのだが,もう一方の和菓子とどちらが花びらっぽいかといわれると,こっちだよなあ.
まあ,そのことはどうでもいい.問題は挟まっている拍子木状のもの.なにやら見慣れた質感をしているのだが,それは和菓子に挟まっているはずのないものだし...

不審げにその物体を見ていると,その教員が笑いながら教えてくれた.

その拍子木状ののものは,やはり私の想像通り「ゴボウ」らしい.和菓子にゴボウ... 絶対あわないと思うんだが...
おまけに,白あんだと思っていたものも,実は味噌あんだという.
味噌にゴボウ... それって味噌汁の味がするということか?

想像すると,どんどん悪い方向に考えてしまうので,ともあれ食べてみることに.
それほど大きくないので,一口で半分食べた.
おおっ,ゴボウのシャキシャキした食感と求肥の柔らかな食感,そして味噌あんの味噌っぽい甘さと求肥のいかにも和菓子っぽい甘さが,口の中でハーモニーを



奏でてはくれなかった.
想像したほど素っ頓狂な味ではなかったが,やはり不思議な味だ.ゴボウ自体も甘く煮てあるのだが,やはりゴボウ特有の風味があるので,和菓子としては違和感を感じた.そして,やはり微妙に味噌汁っぽい...
うーん,世の中には色々な和菓子があるものだなあ.

調べてみたところ,実は非常に由緒正しい和菓子だそうだ.
正式なものは味噌あんが赤くなっており,それが求肥を透かしてほんのりと映えるのだとか.今回食べたのは普通の味噌あんだったのだが,確かにそういう色合いだったら花びらに見えるかも.
で,裏千家の初釜でだされるらしい.そういえば,誘ってくれた教員はお茶の心得があるんだったっけ.それで知ってたのかな.