2005年01月30日

『リスク』井上尚登

[ Book]

特にチェックしていたわけではないのだが,松山市立中央図書館に行ったときにたまたま目に入ったので借りてきた.
この作者の本を読むのは『キャピタルダンス』に続いて2冊目なのだが,本作はリスクに関連した3つの短編が収められた短編集だ.

実直な郵便局長だった亡父がネット証券に手を出していた理由を知るため,自身も株取引に手を出す「お金持ちになる方法」,社宅の廃止をきっかけに一戸建て住宅を購入するべく情報収集に精を出す「住宅病」,ロボット開発・リストラ・ウィルスの三題噺の「十五中年漂村記」,の3本なのだが,「お金持ちになる方法」が一番面白かったかな.

以前読んだ『キャピタルダンス』がビジネス物であることに加え,あとがきにリスクの語源は「勇気をもって試みる」だとあったので,ビジネス関係でリスクにチャレンジする緊迫感溢れる話を期待して読んだのだが,どれもそういう話ではなかった.ちょっと肩透かしを食らった感じ.