2005年03月09日

Tiffay & Co.@ハービスENT

[ Spot]

大阪出張シリーズ,というかリベンジ編?

先日のハービスENT視察(見物?)の際は,当初の目的であった「ティファニーでトランプを」を果たすことができなかったわけだが,打ち合わせのために梅田まで出なくてはならない用事があったので,再度挑戦してみることにした



のだが,出かける際にいきなりトラブル発生.
当初は時間的に余裕を持って出発する予定だったのだが,精神的にダメージを喰らった上,1時間ほどロスしてしまった.いきなり前途多難である.

梅田まで出るまでに,ついでに用事&買い物などを済ませておこうと難波と心斎橋に寄ったのだが,当初の目的の四分の三が果たせないという恐るべき事態が発生.
もしかしてアンラッキーデイなのだろうか?
そういえば,出かけるときに靴紐ならぬマスクの紐が切れたなあ...

この時点でかなり気力がダウンしていたので,サンマルクカフェで軽くコーヒーを飲むことに.たまたま前のお客さんがアメリカンを頼んだので,私もアメリカンにしたのだが,これがまた美味しくなく,時間と金銭を消費した割にさほど気力は回復せず.

だんだん諦めモードに入りつつあったので,気合を入れるため&交通費を節約するため(大阪の地下鉄は近距離だと割高なのだ),心斎橋から梅田まで,だいたい2キロ強くらいの距離を歩いていくことに.
なぜ歩くと気合が入るのか? むしろ体力と気力を消耗するだけではないか? そもそもティファニーで買い物をしようという人間が200円程度の交通費をケチってどうするんだ?というツッコミが聞こえてきそうだが,その時はそう思ったのだから仕方がない.
ただ,意識のどこかで「ここから歩いて行くと,約束の時間までにハービスENTまで行って買い物をする時間的余裕がなくなってしまうから,ティファニーで買い物計画は延期するのもやむなし」という心理的合理化が起こっていたことは事実である.

で,てくてく御堂筋を歩いていったところ,残念ながら時間的余裕が発生してしまった.うーん,自分の歩くスピードの速さを読み違ってしまった...

ということで,ハービスENTへ.
今回は地上を通っていったのだが,ハービスの入り口とは別に,ティファニーの入り口もあった.

tiffany.jpg

これが正面入り口ということになるのだろうが,ここから堂々と入っていくほどの勇気(と経済力)は流石に持ち合わせていないので,そそくさとハービスENTの入り口に回ることに.

さて,いよいよ入店か.その前に服装チェックをしておこう.
上半身はユニクロのカバーオール,中もユニクロのタートルネック.
下半身は薄汚れたスニーカー,そして自転車愛好者の宿命で右裾の内側が油で汚れたジーンズ.
ついでに中途半端に伸びた坊主頭にキャップをかぶり,マスクをして,イヤフォンをつけている...
これでサングラスをして長細い包みを持ってたら,110番に通報ものなくらいの怪しさだな,などと思いつつ,ティファニーの入り口から店内を覗いてみたところ,前回は気がつかなかったのだが,入り口脇にインカムをつけた黒服のお兄さんがVIPを守るSPのごとく立ってた.



ちょっと精神を落ち着けるため,周囲を歩くことにしよう.
とはいうものの,周囲もブランドショップばかりだし,落ち着きようがないよなあ.
などと思っていたのだが,グッチの店にヤンママ風の女性が子連れでやってきている,しかも,そのお子様がかなり行儀が悪いのを見て,考えを改めた.

「なんだ,ブランドショップといっても,この程度なんだ」

よし,これならユニクロを着ていても大丈夫だ!(ただし,マスクは外しておこう)

勇気を出して,ついにティファニーに入店!

しかし,入店した途端に気がついた.
甘かった.
さっきのヤンママがいたグッチの店とは完全に雰囲気が違う.荘厳で静謐な空気が流れている...
お客さんもどこかの老婦人(というほどの歳ではなさそうだが,その上品さのためにそう見える),しかも漏れ聞こえてくる店員さんとの会話からして,買う気に満ち溢れている...

圧倒的な場違い感に潰されそうになりつつ,店内の案内板を見て,紳士用品のあるコーナーにそそくさと移動.
「何かお探しですか?」と店員のお姉さんが近づいてきた.
「ごめんなさい!」と泣きながら叫んで逃げ出したくなる衝動をかろうじて抑えて,「いえ,基本的に見てるだけなので気にしないでください」と平静なフリをして答えることに成功.

なんとかお姉さんから攻撃をかわしたところで,本来の目的であるトランプを探すことに.
トランプというのはジュエリーでもアクセサリーでも食器でもないのだから,あるとしたら筆記用具などがおいてあるこの紳士用品コーナーだろうと目星をつけていたのだが,見当たらない.手帳みたいなものがあるくらいだから,置いてあるコーナーとしてはここが一番相応しいと思うんだが...

潰されそうな場違い感は相変わらず感じていたのだが,この紳士用品コーナーはまだマシなはずで,これが女性向けジュエリーコーナーとかになったりすると,おそらく場違い感は3倍増し,本気で泣きながら店を飛び出しかねない.
残念ながらトランプ探索を打ち切って店外に脱出することに.

しかし,もう少しで店の外に出るというところで思い直した.

ダメだ,ここで場違い感に負けてしまっては,また同じことを繰り返すことになる.

立ち止まり,振り返って,カウンターの中のお姉さんに声をかけた.

「すみません,トランプは置いてないんでしょうか?」

すると,お姉さん(奇しくも先ほど声をかけてくれた方)は,トランプは現在品切れ中で1-2週間後には再入荷するとにこやかに説明してくれた.
そのままだと「お取りしておきましょうか?」とでも言われかねなかったので,「では,またの機会にします」と行って,その場を去った.

結果として,ティファニーのトランプを入手することはできなかったが,前回が完膚なきまでに敗れ去った,というか,リングに立つ前に逃げてしまったのに対して,今回はかなり善戦したといえるだろう.
ある種の達成感を胸に,打ち合わせの場所に向けてハービスENTをあとにする私であった.


というか,どうして普通の人が普通に買い物をするブランドショップで,そこまで壮絶な場違い感を感じるんだ?>私