殺人鬼による連続通り魔殺人事件が起きている京都.
主人公は同じ大学のほとんど知らないような級友からの強引な誘いで,まったく面識のない級友の誕生会に出席することになる.
誕生会はそれなりに楽しく終わったのだが,その翌朝,誕生会の主役が謎の記号とともに絞殺死体で発見され...
以前読んだ『クビキリサイクル』の続編.やっぱり松山市立中央図書館で借りてきた.
前作が思ったよりも「ミステリー」だったので,本作もそうなのかと思いながら読んだのだが,結論から言うと,ミステリーでスパッと騙されたいという人は読まないほうがいいだろう.(そういう人は『葉桜の季節に君を想うということ』を読もう).
じゃあ,ダメな作品なのかというと,ある種の属性(というか精神的傾向?)を持っている人には非常に共感できる作品に仕上がっているので,前作が気に入った人は読んで損はない.
(以下,少々ネタバレにつながる箇所があるので,本作をこれから読んでみようという人は続きを読まない方がいいかも)
前作よりもライトノベル色は薄まっているような気はする(=それっぽい概念の出現頻度は減っている)ので,ライトノベルを読みなれていない人にとってはこちらの方が読みやすいかもしれない.
で,問題はミステリー色の方なのだが,まあ,京極夏彦の『姑獲鳥の夏』をミステリーとして認定できるなら,これもミステリーに分類されるだろう.
いや,あれよりも能動的な分だけタチが悪いか...
しかも謎の記号の正式な解釈が提示されないまま終わっているため,読み終えた直後は消化不良になってしまった.
解法は提示されていたので,手元にあった紙に記号を書いてみて,それを解法に従って処理してみた
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意味不明だよ...
こういう時にありがたいのがネットの存在で,適当な検索語でgoogleってみたところ,いくつかそれらしい解釈が見つかった.
しかし,筆記体は人によってかなり形状が変わってしまうので,この手の謎として使うのには不向きだと思うぞ.
最後に気に入った箇所を引用
「先に活かせない後悔などするだけ損だぞ」
浅野みいこ