2005年06月17日

『太陽の簒奪者』野尻抱介

[ Book]

水星を材料にして突如形成され始めた巨大なリングによって,日照量が激減した地球はリングの破壊を計画する.異星文明との遭遇に憧れていた女性科学者は,異星文明が造ったと思われるリングを破壊して人類を救うため,宇宙へと旅立つ...

非常に評価が高いSF小説で,いわゆるファーストコンタクト物.
この著者の作品については,これまでもライトノベルの方でかなり読んできたのだが,そのノリを期待したのがまずかったのか,ちょっとハード過ぎ&淡々とし過ぎで,あまり楽しめなかった.

個人的には,この作者の最高傑作は『ロケットガール』シリーズで,特に『私と月につきあって』だと思っているのだが,このシリーズ,2重の意味で人に勧めにくい.

一つは既に絶版になっているため.amazonマーケットプレイスだと2倍以上のプレミア価格になっているくらいだから,結構人気はあるのだろう.
でも,こまめに古本屋を探していると,時々売っていたりもする.ちなみに私は2年くらいかけて3冊とも古本屋で揃えた.ちょっと自慢だ.

もう一つは...第1巻が異様な雰囲気を醸し出しているのだ.特に表紙が.2巻以降はカバーなしで人前で読んでも平気なのだが,第1巻だけはちょっと遠慮させて欲しい.作風も第1巻とそれ以外ではちょっと違ってるし.
いちおう各巻ごとに独立しているので,2巻めから読んでも大丈夫なのだろうが...