2005年06月20日

『分身』東野圭吾

[ Book]

自分を避けていた母の不可解な死に疑問を持った鞠子はその謎を調べるため,北海道から東京へと向かうが,訪ねた先で初めて会った人に見覚えがあると言われる.
一方,母から禁止されていたTV出演を強行した双葉は自分のことを調べている男の存在を知るが,その矢先に母が交通事故死する.母の死と父のことについて聞くため,母の知人に会いに東京から北海道に向かう双葉だが,初めて訪れた北海道で,やはり初めて会った人に知人のように声をかけられる...

学生さんが面白かったということで貸してくれた作品.
東野圭吾の作品は何冊か読んでいるが,医学系(『宿命』とか『変身』とか)の作品を読むのは今回が初めて.

学生さんが勧めてくれただけあって,確かに面白いのだが,問題はタイトル.タイトル&医学系の作品ということを知った上で読むと,タネがすぐに分かってしまうのだ.

まあ,タネが分かっても十分面白いのだが,根本のタネが分かってしまうと,その後の展開がかなり読めてしまうので,面白さがその分目減りしてしまったように思う.

もうちょっとひねったタイトルだったら,もっと楽しめたと思うのだが,もともとのタイトルは『ドッペルゲンガー症候群』だったそうだ.このタイトルもちょっと微妙だなあ...