2005年10月02日

『モノの世界史』宮崎正勝

[ Book]

原始時代から現代まで,人類が作り出してきた「モノ」に焦点を当て,それらの「モノ」をつなぐ形で歴史を概観した本.

「火」「畑」から始まり,「暦」「豆腐」「ペスト」「ジャガイモ」「背広」「冷凍技術」「エレベーター」,そして最後の「インターネット」まで,さまざまな「モノ」の由来と発展,そしてその背景にあった歴史について書かれている.

松山市立中央図書館がコンピュータ・システム入れ替えのためにしばらく休館する際,貸出期間が通常よりも長くなったので,「どうせなら厚い本を借りよう」という理由で借りた.
実際にはページ数は330ページ程度で,厚さは用紙の種類に由来していたのだが,読むのに想像以上に時間がかかってしまった.

というのも,読んでいると,いつの間にか眠ってしまうのだ.
かなり細かい節に分かれており(全部で84節),面白いものもあれば興味の持てないものもあるので,退屈な節では眠ってしまうのも仕方がないのかもしれないが,不思議なことに面白い節であってもちょっと気を抜くと眠ってしまった.
全体として「事実の羅列」的文章が多いため,それが読んでいて眠気を誘うようだ.なるほど,教科書を読むと眠たくなるというのは,こういう理由なんだな.

内容の方だが,知らなかったことがたくさん載っていて面白かった.「畑」と「土器」の関係とか,「ペスト」の発祥地と普及ルート,「チーズ」と「豆腐」の意外な接点などなど.
これで文章をもっと工夫してあれば,めちゃくちゃ面白い本になったと思うんだが.ちょっと残念.