2005年10月30日

現代美術のABC@メセナ八幡浜

[ Experience]

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メセナ八幡浜で開催されている現代美術のABCを見てきた.

会場まで商店街のアーケードの中を歩いていったのだが,いたるところにポスターが張ってある.今もやってるかどうか分からないが,ちょっと前に銀天街の各所で旗のような形で小さなポスターが連続して吊り下げられていたことがあるが,ああいう状態.
それに加えて,ポスターを貼っている店舗も結構あった.ついでに前売り券も売っているという.そういうのが全て美術関係の店なら納得できるのだが,なぜかスポーツ用品店みたいなところにも... そんなに存在感のあるイベントなのか?

ともかく,前売り券を買うと通常1200円のところが1000円になって200円オトクなので,前売り券を購入することに.
さすがに美術関係の店では売り切れていたが,公民館みたいなところで購入成功.

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前売り券を購入して200円の節約に成功したところで,会場へ.会場のメセナ八幡浜は八幡浜市立図書館の3階にある.
もちろん会場内は撮影禁止なので,写真はないのだが,各作品は自然,人体,生活,社会のカテゴリに分けられて,それぞれをトランプに模してマークがつけられていた.
会場はそれほど広くはなく,展示作品も30点あるかないかなので,正直なところ,入場料のわりには見ごたえがないと思ったのも事実.

しかし,気に入った作品もいくつかあった.

・福田美蘭の「ニューヨークの星」
星空をバックに摩天楼が描かれているのだが,その星はビルの窓の箇所を繰り抜いて貼り付けたもの.
911をテーマにしたものらしいが,そういう背景を知らなくても,ビルの窓の光と星の光の関連付けが気に入った.

・甲斐雅之「土に埋める 77番 8月6日 ヒロシマから地球平和の祈り」
壁一面に不思議な柄の布が張ってあるのだが,この布はしばらくの間地面に埋めていたもので,柄に見えたものは土の中で分解されたり変色したりしたものだった.
なんだか見ていると落ち着いたので,部屋の壁にこういう柄の布を張るというのは良いかもしれない.でも,作り方はわかっても自分では作れないよなあ.

・柳幸典「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム 1991-アジア」
やはり壁一面に各国の国旗が展示してある.どの辺が芸術なんだ?と思って近寄ってみると,その国旗は一種の砂絵で,それぞれの国旗はチューブでつながれている.
なんなんだ?と思って解説を読んだところ,衝撃を受けた.
この中には本当はアリがいて,そのアリがある国旗の砂を他のところに持っていったり,逆にもってきたり,ということを繰り返して現在の姿になったのだという.
確かに間近で見ると,国旗を形作っている砂にトンネルが掘られていたり,巣穴らしきものの場所に他とは違う色があったりするのが分かる.
あまりにも衝撃を受けたので,ポストカードを買ってみた.

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下の方がそのポストカードなのだが,これを見ても何がすごいのか伝わらないだろうなあ...
同じような衝撃を受けた人が多いのか,会場出口に掲示されていた感想もこの作品のものが他よりも多かった.

これを見れただけでも来た価値があるかなあという感じなのだが,展示された作品の中でも気に入った作品が自然と社会に集中しているというのが私らしい気もする.

今回の所蔵作品の多くは広島市現代美術館のものらしい.
広島に行く機会があれば行ってみようかな.