2005年11月03日

『ミミズクとオリーブ』芦原すなお

[ Book]

八王子の郊外に住む作家の「ぼく」のところには,同郷の友人である刑事が頻繁に訪ねてくる.しかし,その目的は「ぼく」ではなく,「ぼく」の奥さんが作る手料理とその推理力で...

ネットで「料理が美味しそうな小説」として紹介されていた作品.松山市立中央図書館所蔵.

料理上手な主婦が探偵役ということで,勝手に「日常の謎」系のミステリかと思って読み始め,実際に一話目は失踪した友人の奥さんを探すという話だったのだが,二話目からは普通に人が死んだりしている.
しかし,主人公と刑事の掛け合いも地の文(「ぼく」の一人称小説なので)もコミカルなので,それほど血なまぐさい話になはならない.

で,肝心の料理についてだが,主人公たちが讃岐=香川県の出身ということで,香川の郷土料理がたくさん出てくる(そういえば,さぬきうどんは出てなかったな).
さつまは食べたことがあるはずだし,塩あんの餅も想像できるけど(これが入った御雑煮は想像できないが),デビラ(カレイの一夜干し)とか醤油豆になると食べたことがないので味が全く分からない.一度は食べてみたいものだ.
香川の郷土料理以外にも色々と料理が出てくるのだが,一番興味が湧いたのがスルメの天ぷら.あのカチカチのスルメを天ぷらにするのか? ちょっと食べてみたいけど,うちで揚げ物はできないしなあ...