2005年11月14日

こまどり(喫茶)

[ Spot]

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このところ,場違い感を感じるような店に行っていないことにLa Pommeの記事を書いていて気が付いたので,久しぶりに「挑戦する心」を奮い立たせて,大街道の老舗である「こまどり」に行ってみることにした.
しかし,緊張しつつ4階までの階段を上って出迎えてくれるのが,トトロというのはいかがなものか...

いきなり拍子抜けするようなトトロと貼り紙に出迎えられたわけだが,店内は予想どおり,強烈なくらい独特だった.

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ここは画廊ですか?と聞きたくなるような店内.
テーブルごとに素通しのパーティションで仕切ってあるのだが,そこに油絵がこれでもかと飾ってある.しかも額が異常に立派で,全体的に「装飾過多」という感じの店内.
これらの要素だけをとってみると,かなりの圧迫感を感じそうだが,天井が高いので,実際にはそれほど圧迫感は感じない.

席に着くと,かなりの年配だが背筋がピンと伸びた男性が水とメニューを持って来てくれた.
ちらっと見たところ,ネクタイはブルガリ,あの柄からするとベストはバーバリーか?

メニューをしばらく見てから日替わりランチ(1050円)を注文したところ,しばらくしてからナイフセットを持って来てくれた.
ナイフセットもデザインはそれほど装飾過多というわけではないのだが,結構な年月を経たような色合いがなんともいえない豪奢さを感じさせる.

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テーブルやグラスにも長い間使っていることによる風格を感じてしまうのは気のせいだろうか.

なにげなくスプーンを見てみたところ,「christofle」と刻印があった.どこかで聞いたことがあるなあと思い,帰って調べてみたところ,やっぱり有名ブランドだった.

うーん,これまで場違い感を感じるような店には何軒も行ってみたけど,なんだろう,ここには場違い感とはまた別のものを感じる.
周囲のお客さんは女性ばかりだし(年配の方から若い女性まで幅はあったが),周囲には豪奢な油絵や高級ブランドの食器が並んでいるので,場違い感を感じる条件は揃っているのだが,場違いというのとはちょっと違う感覚がある.強いて言うならば圧倒感とでもいうのだろうか?

そんなことを考えていると,ランチのスープがやってきた.

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さすがにスープカップをひっくり返して確認するわけにはいかなかったが,これも有名ブランドなんだろうか.

で,ランチのメイン.

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この日は海老フライ.揚げたてで美味しかった.
周囲のつけあわせもアッサリとしていて美味しかったのだが,この豪奢な雰囲気の店内で,この手のお袋の味的お惣菜がでてくるというのは何だか笑ってしまうな.

で,デザートのケーキと紅茶.

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食後のドリンクはコーヒーと紅茶が選べるのだが,こまどりは紅茶で有名らしいので,今回は紅茶にしてみた.

基本的に私は紅茶はそれほど得意ではなく,特に外で出てくる紅茶は苦いと感じてしまうため,砂糖をいれるのがほとんどなのだが,この紅茶は美味しかった.
おそらくフレーバーティー(苺か?)なのだろうが甘い香りと風味がほんのりときいていて,砂糖を入れなくても美味しくいただけた.

ケーキの方だが,事前にランチのケーキは薄いという情報を仕入れており,実際に薄かったわけだが,食後にちょっと食べるくらいだったらこれくらいで十分なんだということを発見してしまった.
ケーキは素朴な感じというか,今の感覚でいくとちょっと古いタイプのケーキなのかもしれないが,個人的には結構好みだった.

ケーキを食べ終わってからも,しばらく持参した文庫本などを読んでいたのだが,最初は感じていた圧倒感もしばらく店内にいるうちに感じなくなってきた.
いや,あいかわらず圧倒されることはされるんだが,意識を店内から別のところ(今回は持参した本)に向けると,周囲のことがそれほど気にならなくなるのだ.席が囲まれているんだけど,それなりに開放感ももたせているためだろうか.

ということで,全体的にちょっと不思議な店で,機会があればもう一度行ってみようかなという気にさせられた.
カレーじゃなくてカリーか,これも名物らしいのだが,1500円くらいするらしいので,懐に余裕があるときにでもチャレンジしてみよう.