2005年12月10日

『読ませる技術』山口文憲

[ Book]

コラムニストである著者がカルチャーセンターでのコラム・エッセイの書き方教室を基に書いた,うまい文章を書けるようになるのではなく,まずい文章を書かなくするための本.

いつものように松山市立中央図書館で借りてきたのだが,どういう理由で読もうと思ったのかが不明.
館内の端末で検索して借りたくらいだから,たまたま遭遇したのではなく,ネットでとりあげられていたのを読んだのだろうけど...

とりあげられている内容は,「構成をちゃんと考えましょう」とか「オリジナルの切り口で勝負しましょう」,「書く内容は絞りましょう」,「読み手が読みたいことを書きましょう」など,特に目新しいことがあるわけではない.でも,「7時のニュースを参考にしよう」など,なるほど!と思うようなテクニックも紹介されている.

しかし,読んでいて違和感があった.どうもシックリこない.この著者の主張に忠実に従うと,「ウソ」がOKになってしまうじゃないか?
と思っていたら,まさにそのとおりのことが書かれていた.確かに「自分が書きたいことよりも読み手が読みたいことを書きましょう」という原則に従えば,そうなるんだろうけど...
楽しみのために読むエッセイならばOKなんだろうけど,このブログの目的からするとメチャクチャになってしまう.
最近はあまり書いてないけど,ネタに走った記事を書くときでも,少々の誇張はあってもウソは書いてないしなあ.

ということで,書かれているテクニックについてはいいと思うんだけど,根本の姿勢が微妙に違っている本だった.
まあ,エッセイと実名ブログでは書くスタンスが違っていて当然といえば当然なんだけどね.