2006年05月16日

『箱』ジ・アービンガー・インスティチュート

[ Book]

ライバル企業から業界1位の企業に転職してきて一ヶ月の管理職である主人公は,副社長と1対1でミーティングを行うことになった.そのミーティングで行われる独自のプログラムこそ,その会社を業界1位にしている原動力だというのだが...

松山市立中央図書館で読むべき本リストをチェックしたところ,この本の題名と図書館の分類記号が書かれていた.
しかし,どういう経緯でチェックしたのか全く覚えていない.この分類記号からすると外国の小説だよなあと該当の本棚まで移動,本書を手に取ったところ...

小説形式の自己啓発本だった.うわぁ...

私はこの手の自己啓発本が嫌い,というか,この手の自己啓発本が目標とする「むやみやたらに明るくて,楽天的で,誰に対しても親しげで,自分のことをベラベラ喋る人」があまりにも薄っぺらく思えてしまうので,自己啓発本はあまり読まないんだけど...

ともかくチェックしている本なので,借りてきて読んだところ,やっぱり自己啓発本なことには違いがないのだが,それほど違和感なく読むことができた.

タイトルになっている「箱」だが,これは自分の感情を裏切った行動に端を発して自己正当化に走っている状態のこと.
この「箱の中」に入ってしまうと,相手のやること全てに対してネガティブに反応してしまい,その結果として相手も「箱の中」に入った状態にしてしまう.
こうなってしまうと生産的なことは何もできないので,いかにして「箱の外」に出るか,そして出たままの状態を維持するか,が重要になってくる.

と,こんな感じのことが小説形式で書かれているのだが,私が疑問に思ったことと同じようなことを主人公も思って,そのたびに導師役の副社長&ゲストに誘導されて答えを発見するようになっていたりする.見事に術中に嵌まっている感じ.

書かれていることは至極真っ当なことで,先ほども書いたように違和感なく読むことはできた.別に「自分の人格を変えろ」みたいなことは書かれていないしね.
しかし,「言うは易し,行なうは難し」で,「箱の外」に出たままの状態を維持するのは難しそうだよなあ.

なお,この記事を書くために検索をかけてみたところ,えらく絶賛されている.その流れでチェックしていた模様.