2006年06月02日

『陽気なギャングの日常と襲撃』伊坂幸太郎

[ Book]

人間嘘発見器,天才スリ,演説(と嘘)好き,正確な体内時計をもつドライバー.
4人の銀行強盗たちも銀行を襲っていないときは日常生活を送っているわけだが,その生活は平穏とはいかないようで...

読むのは12作目の伊坂幸太郎作品で,映画化もされた『陽気なギャングが地球を回す』の続編.
これも図書館ではなく,卒業生にして同僚な人に貸してもらった.

前半は4人のメンバーがそれぞれ主役の短編で,後半は4人揃っての中編という変則的な構成になっているのだが,そこは伊坂幸太郎,それぞれの話が複雑に絡み合って,最終的には一つの話になっている.

で,これも前作同様,面白かった.
読んだ後に何かが残るとか,考えさせられるとか,そういうことは全く期待せず,ただひたすら,単純に楽しみたいときに読むといいと思う.

難を挙げるとすれば,ちょっと久遠(天才スリ)が前面に出すぎていて,他のメンバーの見せ場がちょっと少なく思えたことくらいかな.
今度は他のメンバーが活躍する続編をぜひ書いてもらいたいところだ.