2006年07月15日

愛媛県美術館 常設展

[ Experience]

先日,TVをつけたままPCをいじっていたところ,急に意識がTVの方に向いた.
なんだろう?と思って画面に注目してみたところ,地元ニュースで愛媛県美術館の常設展をとりあげていた.「都市と田園」というテーマで展示をしているとのことだったのだが,そこで紹介されていた『マンハッタン』という絵がとても気になった.
展示は7/17までというのだが,この頃ちょっとバタバタしているので,美術館に行く時間が取れそうにない.
うーん,どうしよう...と思っていたところ,出先の仕事がたまたま早く終わったので,帰りにサッと寄ってみた.

現在,愛媛県美術館では企画展として「ヨーロッパ絵画名作展」を開催しているのだが,どうも興味が持てそうになかったので,今回は常設展だけで入場.300円だった.

常設展は複数やっていたのだが,まずは目的の「風景画 − 都市と田園」を見に行く.
田園風景というか,海とか山の風景を描いた絵と,都市を描いた絵が展示されていた.

その中にくすんだ金色の屏風絵があった.なんだろう?と思って作品名の書かれたプレートを見てみると,『洛中洛外図屏風』とある.
これって,日本史の教科書とかで出てくる,あの洛中洛外図?!
と,ちょっと驚いたのだが,江戸時代の作とある.うーん,教科書に出てきたのはもう少し昔だったような気がするなあ.
帰って調べてみたところ,やっぱり貴重なのは室町時代に作られたもので,江戸時代以降につくられた洛中洛外図は100点くらい残っているらしい.
でも,教科書の小さい写真で見ただけではよく分からなかったのだが,祇園祭っぽい行列が描かれていたり,それぞれの家に家紋がくっきりと描かれていたりしていた.ふーん,こういう絵だったのか.

その後,目当ての『マンハッタン』へ.
これも屏風絵だったのだが,描かれている景色はマンハッタン(の夜明け?)で,空の青とビルの窓の明かりの色のコントラストが不思議な感じ.
その隣には『マンハッタンの夜』や『パークアヴェニュー』とかいう同じような作品が展示されていたのだが,どれも作者は岩波昭彦という人.
調べてみたところ

アメリカの都市風景を情趣豊かに描く日本画家として知られますが、実は海外では抽象画家としても活躍しています。二つの顔を持つわけですが、しかも彼にはもう一つ、歴史画家としての顔もあるのです。

という多才な人のようで,ジャズアルバムのCDジャケットなども手がけているそうだ.

とりあえず目的は達成したのだが,せっかく入場料を払ったんだからということで,他の展示室も見てまわることに.
現代美術から書まで,色々と展示があったのだが,中に福田平八郎の特集展示があった.
愛媛県美術館で一番高価な絵はモネとかセザンヌではなくて,この人の絵だということを,つい最近知ったところ.
なので,興味津々で鑑賞させてもらったのだが...
うーん,これが一番高いのかあ.
私だったら,この絵よりも,さっきの『マンハッタン』をもらった方が確実に嬉しいよなあ.
芸術はよく分からん.


・おまけ
以前,ダリ展の紹介ページのタイトルが「dali」ではなく「dari」になっていることを指摘したのだが,いまだに企画展の紹介ページのタイトルが「dari」のままだったりする.
もしかして,これは間違ってるんじゃなくて,「企画展」のことを表す言葉として「dari」というのがあるんだろうか?