2007年02月25日

最近のマンガ雑誌の動向

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このBlogでも時々載せているが,私はマンガもよく読む.
買って手元においておきたいものはそれほど多くないので,マンガ喫茶などで読んで済ましているのがほとんど.
それでも手元においておきたいものは単行本で購入するわけだが,紫堂恭子という漫画家の作品は即座に購入することにしている.

最近になって,その紫堂恭子が携帯電話で読めるマンガの連載(有料)を開始した.
私の携帯電話はメールはできるがウェブは見れないので,連載がまとまって単行本になるまで待とうと思っていたのだが,数ヶ月遅れではあるがPCで見れるという.しかも無料で.

その連載がされているのは講談社が運営しているMiChao!というサイト.
個人情報をそれほど登録しなくても読めるので,登録して読んでみたのだが,ブラウザの画面を大きめにすれば普通に読むことができた(でも,あの画面を携帯電話で見ると,字が読めないような気がするんだが).

で,職業柄,この手のものを見ると「どうやって儲けるんだろう?」と考えてしまうわけだ.

このMiChao!で連載されている作品,PCで見る場合には無料なのだが,最新作は携帯電話向けで先行公開されており,そちらは有料になっている.
PC向けに比べると,携帯電話向けコンテンツは課金が容易なので,この手の手段を使って収益を上げるというのは一般的な方法だ.

もう一つはPC向けのサイトに広告を掲載し,その広告収入で収益を上げるという手.ネットで動画を公開しているGyaOとかはこちらの方法を使っている.
しかし,MiChao!のサイトには現時点では広告は掲載されていないように思えるので,この方法はまだ使っていない模様.

もう一つ,これは連載マンガというコンテンツだからできる手段だが,連載したマンガをまとめて単行本として出版して収益を上げるという手段もある.一時流行った(今も?)有名Blogをリアルな本として出版するというのはこの方法のアレンジ版だ.
この方法については,連載自体が始まったばかりなのでまだ行われていないが,今後,確実に行われるだろう.

これに対して,リアルなマンガ雑誌の場合,

 1.雑誌自体による販売収入
 2.雑誌に掲載する広告収入
 3.単行本出版による販売収入

という3つの収益源があるわけだが,昔はともかく,最近は1と2だけでは原価を回収できないという話を聞いた記憶があった.
色々調べてみたところ,「通常は 60 〜 70 % の雑誌原価だが、100 % を越えるものが出始めている」ということで,全雑誌が原価割れになってるわけではない模様(詳しくはこちらを参照).
この計算には2の広告収入が考慮されているのかどうか少々疑問なのだが,そもそも一般雑誌に比べるとマンガ雑誌は広告が異常に少ないので,無視してもそれほど影響はないと思われる.

結局は雑誌の赤字を単行本出版で埋めるというのが一般的なパターンなわけだが,そういう状況を反映してか,昔からある月刊少年ジャンプの休刊が決定したらしい.

その一方,単行本出版で帳尻を合わせれば良いという状況を逆手にとってか,最近では無料のマンガ雑誌も現れた.
通常のフリーペーパーと同じく,広告収入を前提にしているんだろうけど,色々と情報を集めてみる限りでは,広告収入はそれほど期待できそうにない感じ.
現物の配布は東京のみなので,評判のほどはよく分からないが,週刊ベースはつらいんじゃないかな?