2007年03月31日

『精霊の守り人』上橋菜穂子

[ Book]

短槍使いの女用心棒「バルサ」はふとしたことから皇子「チャグム」の守ることを引き受ける.
身体の中に100年に1度だけ卵を産む精霊を宿す「チャグム」の命を狙って,帝の命令を受けた「狩人」と,異世界から現れる天敵「卵食い」が近づく...

荻原規子の「勾玉」シリーズと並び称される和製ファンタジー作品である「守り人」シリーズの第1作.
いつもなら松山市立中央図書館で借りるところなのだが,予約がやたらと溜まっていたので,三津浜図書館の方で借りてきた.

以前から読もうとは思っていたのだが,ついつい先延ばしになっていたもの.
ようやく読むことができたのだが,どうやらアニメになるそうだ.それで予約が多かったのか.

320ページほどあるのだが,文字が大きい&字間が広い.
独特の固有名詞が出てくるのがちょっとややこしいが,そういうのを考慮しても,想定する読者層の年齢は勾玉シリーズよりも低いのかな.

とはいえ,支配者と先住民の関係や伝承についての考え方など,奥が深そうなところがそこかしこに見え隠れする.
どうやら,このシリーズの作者,文化人類学の研究者で現在は大学教員であるらしい.そのあたりが関係しているのだろう.

ちなみに冒頭に書いたアニメ化の件だが,NHKのBSでこの4月から放映される
先日,3時間くらいの特集番組を放送していたところからすると,NHKもかなり力を入れている模様.
第一話が先行放映されていたので,ちょっと見てみたのだが,絵はかなりきれいだった.
ストーリーの方は原作そのままではなく,ちょっとアレンジが加えられていたが,単なる演出的なものなのか,それともオリジナル・ストーリーが付け加えられるのか,どっちなんだろう?
全26話となると,原作をなぞるだけでは時間が余りそうだから,オリジナル要素を入れると思うのだが,監督は『攻殻機動隊』のTVシリーズを担当した人らしいので,そのあたりも期待できそうだ.