2007年05月11日

病人用漬物

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先日,入院中の食事についての記事を書いた.
味が薄いとか,動物性タンパク質(というか肉!)が少ないとか,不満な点も色々とあったのだが,入院前に恐れていたよりはマシだった.

しかし,これだけは何とかしてもらいたいという点があった.
それは朝食.

今回の場合,前夜の晩ご飯が18時で,朝食は8時からだったので,途中に睡眠時間を挟んでいるが14時間ぶりの食事.
当然お腹は空いているわけだが,その最高の調味料「空腹」をもってしても,なかなか箸が進まないことが多々あった.

写真はその一例.

NyuinTukemono_1.jpg

朝食は白ご飯に汁物,一品にデザートのヨーグルト,というのが基本パターンだったのだが,この日のメニューは,白ご飯に卵とタマネギの味噌汁,そしてタマネギとサツマイモの牛乳煮.
このメニュー,どう思われるだろうか?
汁物は甘いし,一品も甘い.この状態で,それなりの量のある白ご飯を食べなければならない.極端なことを言えば,チョコレートをおかずにご飯を食べるようなものだ.
いくらお腹を空かせて飢えた野獣と化していた私をもってしても,箸が進まなかったのも当然といえよう.
(まあ,最終的には毎回完食していたわけだが)

この手のメニュー,毎日ではないにしても何度もあり,そのたびに思ったものだ.
「ああ,ここに漬け物があればなあ...」と.

そんなある日,ふと気がついた.
「そういえば,これまでの食事で漬物って出てきたっけ?」
記念になるかと思い,毎回の食事を携帯電話のデジカメで撮っていたのだが,それを見返してみたところ,やはり漬物は出たことがなかった.
(その後,晩ご飯に一度だけ浅漬けが出てきた)

気になったので調べてみたところ,前回書いたように病院食は塩分が一日7-8グラム程度に厳しく制限されている関係で,塩分が多い漬物は敬遠されがちの模様.
でも,減塩の漬物もあるし,漬物は身体に良いという話も聞く,それにお年寄りには漬物が出た方が喜ばれるんじゃないか?

ということで,さらに調べてみたところ,全日本漬物協同組合連合会による漬物ポータルサイトを発見.漬物がいかに身体に良いかということを主張しているページがあった.これによると,野沢菜漬・茄子浅漬・千枚漬の3種盛り50グラムに含まれる塩分は1グラムのみであり,それがもたらす食欲増進効果は多大であるとのこと.
うーん,でも1日7グラムのうち,漬物だけで1グラムとなると,他のおかずがますます薄味になってしまうような気が...

もうちょっと調べてみると,マヨネーズで有名なキユーピーが医療食も製造販売しているらしく,そのラインナップの中に塩分調整食品として減塩漬物各種があった.
でも,これらの商品で計算してみると,50グラムの減塩漬物で2グラムくらいの塩分を摂取することになってしまう.うーん,漬物ポータルサイトの計算と違ってるぞ.いわゆるポジショントークというやつか?

で,漬物というのは塩分だけで味が付くのではなく,発酵によっても味が変化しているらしい.
発酵の種類にもよるのかもしれないが,発酵自体は塩分が無くても可能だろうから,塩以外の材料を使って発酵を進めた漬物ならば,病院で出しても大丈夫なのかなあ.
調べてみたら,すんき漬けという乳酸菌で発酵させた漬物があるらしい.
でも,味は「すっぱい」というから,普通の漬物とは味が違ってそうだな.