2007年06月13日

『雲なす証言』ドロシー・L・セイヤーズ

[ Book]

探偵貴族「ピーター・ウィムジイ」の兄であり貴族院議員「ジェラルド」が殺人容疑で逮捕された.被害者は妹「メアリ」の婚約者「キャスカート大尉」.
無罪を主張するもののアリバイ証言を拒否する兄と,その証言が信用できない妹を救うべく,「ピーター」は名執事「バンター」と共に各地を飛び回ることに...

『誰の死体?』に続くピーター卿シリーズの2作目.松山市立中央図書館所蔵.

主人公があいかわらずスーパーマンぶりを発揮しているのだが,前作ほど鼻につかなくなっているのは私が慣れてしまったせい?

被害者がフランスで暮らしていたため,登場人物がフランスに調査に行くのだが,えらく手軽に行き来しているように思えた.
今なら鉄道一本で行けるんだろうけど,作中の時代設定は第1次世界大戦の後.
英仏海峡トンネルが開通したのは1990年だそうだから,当時はフェリーで行き来していたんだろうけど,そんなに気軽に行き来できてたのか?
ああ,そういえば,泳いでドーバー海峡横断というのがあるくらいだから,それほど距離はないのか.
調べてみたら,フェリーの現在の所要時間は1.5〜2時間だそうだ.当時はもうちょっと遅かっただろうけど,それでも気軽に行き来できそうだな.

なお,前作でも法廷シーンが出てきたのだが,本作も法廷が舞台の一つになっている.もしかして法廷物でもあるのだろうか.