2007年07月12日

『蛇鏡』坂東眞砂子

[ Book]

婚約者とともに故郷を訪れた「長尾玲」は,実家の蔵の中で,自殺した姉が使っていた不思議な鏡を見つける.
一方,遺跡発掘のために町に滞在している大学助手「田辺一成」はこの遺跡が普通の遺跡でないように感じていた.
偶然再会した二人は,鏡が縁となって急接近するのだが...

同僚の奥様に貸していただいた本.
上のあらすじだと,普通の恋愛小説みたいだが,坂東眞砂子の作品である以上,そんなはずはなく,ちゃんとした土着ホラー(?)小説.

同僚は坂東眞砂子作品のなかでこれが一番面白かったといっていたのだが,確かに『死国』よりは完成度が高いように思えた.
でも,人間関係はあいかわらずドロドロしてるし,展開される超常現象が中途半端というか,寸止め感が溢れていて,うーん...という感じ.

坂東眞砂子の小説は3つしか読んでいないけど,一番面白かったのは『旅涯ての地』だな.まあ,これは単にこれだけがホラー小説じゃなかったためかもしれないけど.