2007年07月31日

『仔羊の巣』坂木司

[ Book]

保険会社に勤める「坂木司」と,ひきこもりプログラマーである「鳥井真一」.
「坂木」の努力と「鳥井」の天才的な推理力によって,「鳥井」の世界は徐々に広がっていくが...

ひきこもり探偵とその友人を描いた『青空の卵』の続編.松山市立中央図書館所蔵.

微妙に歪んでいた前作だが,本作もやっぱり歪んでいた.うーん,これは前作以上に好き嫌いが分かれるかも.

前作と同様,日常の謎系の短編というか中編3編で構成されているのだが,話的には3本で1本の話と読めなくもない.

収められている中編のうちの1本の舞台が地下鉄であり,地下鉄の駅の中で美味しそうな匂いがすることがある云々の話が出てくるのだが,個人的にはそういう経験をしたことがない.地下鉄独特の匂いというのはあるけど,あれはどう考えても美味しそうな匂いじゃないしなあ.
舞台になっているのは東京であり,私が知っているのは大阪の地下鉄なので,そのせいだろうか?
ちょっと調べてみたところ,永田町の平河町改札では夕飯時に焼き魚の匂いがするらしい.
夕飯時? ああ,もしかすると私が美味しそうな匂いをかいだ経験がないのは,夕飯時=帰宅ラッシュ時に地下鉄に乗るようなことがあまりなかったせいかも.
もしかしたら大阪でも夕飯時には美味しそうな匂いがしているのかもしれないな.