わがままな広告主に振り回されて混乱する「ピム広報社」の社内でコピーライター「ヴィクター・ディーン」が転落死した.
その後任としてやってきた変わり者の新人「デス・ブリードン」は,「ヴィクター・ディーン」の死について嗅ぎ回るのだが...
あらすじだけだと分からないだろうが,ピーター卿シリーズの8作目.松山市立中央図書館所蔵.
広告業界を舞台にしているのだが,作者自身がコピーライターとして生計を立てていた経験があるためか,かなりリアリティがある.
前2作がミステリとしてはかなり本格的だったのに対して,本作はかなり軽め.
それよりも登場人物のかけあいや広告についての作者の考え方などが面白く,全体的な筋もかなりエンターテインメントよりになっているので,500ページ近くあってもスルスル読めてしまった.
で,前作で関係が進展したようなしてないような「ハリエット・ヴェイン」だが,本作ではほぼ登場せず.
まあ,話の筋として登場のさせようがないんだろうけど,それ以外に,ハリエット・ヴェインと同じく作者の分身であるような女性が登場しているせいかな.