2007年11月04日

『ものづくり道』西堀榮三郎

[ Book]

「伝説の技術者」であり「探検のカリスマ」とも呼ばれる(NHKが勝手に呼んだだけ?)著者が,自身の経験を振り返って,科学と技術,創造性,組織運営などについて述べた本.
松山市立三津浜図書館所蔵.

西堀榮三郎という人物を知っている方は,それなりに年配の方か,とある分野に興味があるか,プロジェクトXを見たかのどれかだと思う.私自身はプロジェクトXで知った.

現在は既に放送が終了してしまったが,ちょっと前まで『プロジェクトX』というNHKのTV番組があった.
今では普通に使われている製品(災害救助や巨大構造物建造などの場合もあり)がいかにして生み出されたかを描いた番組で,かなり話題になったシリーズなので御存知の方も多いだろう.

私は仕事柄,企業関連のドキュメンタリーなどはできるだけチェックしているため(最近はさぼり気味だけど),この番組も興味があるテーマのときには録画していた.
そんなある日,その日のプロジェクトXのテーマをチェックしたところ,「南極観測」とあった.南極観測と企業経営は関係がなさそうだったので,その回は録画しなかったのだが,たまたま放送を見たところ,非常に面白かった.
その南極観測は前後編だったので,その次の回の南極越冬隊も見ることにしたのだが,これが

大感動

リーダーシップの教材としても使える内容だったので,リーダーシップを教える時には可能な限り見せるようにしているのだが,そのたびに目頭が熱くなるくらい.

そういう人の本なので,リーダーシップの話が中心なのかと思っていたのだが,実はこの作者,日本が世界に誇る日本流品質管理(QCサークルとか)を普及させた人でもあり,そのあたりのこともけっこう書かれている.
自身の経験を例に挙げて科学的管理法の問題点を指摘したり,自身の経験から考え出した組織運営手法がバーナードの組織論との共通点を持っていたり,経営学的に見ても面白かった.機会があったら手に入れることにしよう.

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