2007年11月14日

『遠まわりする雛』米澤穂信

[ Book]

4月,神山高校に入学した「折木奉太郎」は姉の命令で廃部寸前だった古典部に入部する.
同じく古典部に入部した「千反田える」や,昔からの友人「福部里志」「伊原摩耶花」と共に,1年間を過ごすうちに,省エネ少年の奉太郎にも変化が...

作家買いすることに決めた米澤穂信の新刊で,古典部シリーズの最新作.
前3作がすべて長編だったのに対して,本作は短編集で7本の短編が収められている.

読んでいる途中は「うーん,長編の方がいいかなあ」と思っていたのだが,最後の3本でかなり評価が上がった.

ミステリ好きな人には4本目の「心あたりのある者は」の評価が高いようだが,個人的にはその後の3本が面白かった.

5本目の「あきましておめでとう」はコメディ仕立てなのだが,6本目の「手作りチョコレート事件」は前作の『クドリャフカの順番』にも共通するような青春物.
そして,7本目の表題作「遠まわりする雛」も青春物になるんだろうけど,これからの古典部がどうなるかの方向を示しているような感じの作品.
というか,記事を書くにあたって,最後を読み返してみたんだが,これでシリーズ終了とかでもおかしくないような感じだなあ.

うーん,古典部シリーズの次の作品が楽しみな一方,『夏季限定トロピカルパフェ事件』のようなハードな展開になるかもしれないと思うと,続きを読むのがちょっと怖いかも.