2008年02月16日

『アフリカにょろり旅』青山潤

[ Book]

現在生息するウナギ全18種.
その最後の1種である「ラビアータ」を求めて,アフリカを旅した研究者のエッセイ.

と,こう書くと学術的な硬い本のように思えるかもしれないが,タイトルが「にょろり旅」だし,表紙のイラストも牧歌的で楽しそうな感じなので,軟らかい本なのだろう.
そう思って読み始めたのだが,「うわーぁ」という感じの本だった.

元・中島町の図書館にしかなかったので予約して取り寄せてもらったのだが,どうも中央図書館で購入したものが届いたようだ.

そもそも,この本を読もうと思ったのは,ほぼ同時期に違うルートで「この本が面白い!」と評価されているのを見たため.
一つは単にエッセイとして面白いという評価だったのだが,もう一つは「サバイバルする人の意識とはこういうものだ」という点で評価されていた.

そのイメージのギャップが気になったので借りてみたのだが,個人的な評価としては後者の方に近い.
確かに個別に見ると面白いエピソードも多いのだが,はっきり言って著者が置かれていた状況はかなり過酷.読んでいて暗くなることもしばしばあったくらい.
そういう状況で生き残るために,そしてウナギを手に入れるために,自分を厳しく律していたというのが真相だろう.
それを軽妙な語り口や面白いエピソードでカバーしているので表面的には面白い.
でも,最後の方はかなりツライよなあ.仕事で疲れている人が気分転換に読んだら,さらに落ち込むかも.

私も研究者の端くれではあるのだが,こんな過酷な状況に追い込まれてまで研究したいモノってないよなあ...

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