2005年08月25日

『悠かなり愛し夢幻 全14巻』もとなおこ

[ Book]

過去に自ら「能力」を封印したウェンスタイン伯爵家の直系として生まれた美言と華聖.しかし,裏切り者のために長である祖父や母を失ったショックで美言は記憶をなくしてしまう.
若くして長とならねばならない美言を守るため,華聖は伯爵位を継ぎ,失われた炎水晶を集めることを決意する.
そして8年後,父を失って天涯孤独になった美言は華聖と再会し,共に暮らすことに...

某教員の奥様から借りた少女漫画.
少女漫画はそれなりに読んでいるし,特にアレルギーもないのだが...

これは久しぶりに読んで悶絶してしまった.
いろんな意味で

べったべった

だったのだ.

ストーリー展開的にも王道路線というか,よくあるパターンと言う意味で「べたべた」なのだが,それ以上に,主人公の二人がひたすら「べたべた」しているのだ.
ストーリー的にも絵柄的にも「古き良き少女漫画」という感じなので,べたべたいちゃつくといっても最後の一線を越えることはない「健全なべたつき方」なのだが,1話に複数回は抱擁&キスのシーンが出てくるのだ.

私はそれなりに少女漫画を読んでいるとはいえ,読むのは基本的に(一昔前の)白泉社系統,つまり,恋愛がメインの作品はそれほど読まないこともあって,これほど頻繁に抱擁&キスがでてくるのには慣れていない.その上,主人公の二人がラブラブで激甘.

ということで,冒頭にも書いたように悶絶しながら読んでいたのだが,これでストーリーが突拍子もないものだったら脱落していたと思うくらいの激甘&べたべたぶりだった.

しかし,これが途中から(英国編になってからくらい),激甘&べたべたがあまり気にならなくなってきた.
これは,登場人物が出揃ったこと&過去のいきさつとの絡みが使えるようになって,ストーリーのパターンに広がりが出てきたこと(それまでは事件->能力->いちゃいちゃが基本パターン)が大きいのだと思う.
まあ,一説には読んでいくうちに激甘&べたべたに耐性が付いたともいうが...

ということで,全体的には楽しんで読むことができたのだが,全14巻のわりに最後がちょっと駆け足っぽくなってしまったのが残念だ.
あれだったら,もう少し早くに英国編に突入しておいて,その分最後の方を長めに書けばよかったようにも思う.