2007年01月18日

『悪魔のダンス』視覚デザイン研究所

[ Book]

副題は「絵の中から誘う悪魔」ということで,『ヴィーナスの片思い』『天使のひきだし』と同じシリーズの本.これも某教員の奥様に貸してもらった.

名画+ヘタウマなマンガ+解説というパターンもシリーズ共通なのだが,基本的に同じような構成要素でできている天使に比べると,悪魔のほうがバラエティがあって面白い.

どうして悪魔のほうがバラエティに富んでいるのかというと,この本にも書かれているが,もともとキリスト教における悪魔というのは他の宗教(特に多神教)の神様であることが多いので,色々な民族や文化の影響を引きずっているため.
ルーツからして多様な上,その神様たちが悪魔化されるときに誇張されたり誤解されたりするので,はっきり言って想像力のやりたい放題状態で造形されてしまった結果,天使に比べるとかなり個性的な存在になるし,数も多くなる.Wikipediaの悪魔の一覧の項目の多さを見てもそのことが分かるのではないだろうか.

悪魔の本というと思い出すことがある.
私はその手の想像力の爆発みたいなものが昔から好きなようで,小学校の頃から各地の民話や神話を好んで読んでいた.
で,中学生になったある日,自習か何かで図書室を訪れたところ,本棚に魔術関連の本があるのを発見(どうして学校にあんな本が?).
パラパラめくってみると,悪魔の説明が大量にあって面白そうだったので借りることにしたのだが,図書委員がいない.
さてどうしたものか?と考えていたところ,たまたま通りがかった大学を卒業したばかり女性教員(その頃は学校が荒れていたので授業中によく泣いていた)が貸し出し手続きをしてくれることになった.
そのときの会話.

「...こういう本,よく読むの?」

「ええ,興味があるので」

「そうなの...」

そのときは「こういう本=民話や神話の類」と思って即答したのだが,後から考えてみると,絶対にアブナイ中学生だと思われてたんだろうなあ...


・おまけ
Wikipediaの悪魔の一覧だが,一番下のほうにある「その他」の悪魔に注目.さすがは「閣下」である.