2004年08月11日

森の翠 無濾過生原酒

[ Goods]

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以前,日本酒が充実している飲み屋に行き,そこで色々な種類の日本酒を飲んだことがあるのだが,そこで一番美味しく感じたのが「森の翠」という愛媛の地酒.
基本的に日本酒は何を飲んでも「うん,酒だ」という感想しかもてなかったので,そのとき美味しく感じたのは自分でもビックリした記憶がある.

その後,いくつかの飲み屋で「森の翠」の名前のついた酒を飲んだのだが,そのときの味とは微妙に違っており,なにか満たされないものを感じていた.

で,どういう経緯だったかは忘れたが,先日,森の翠を置いてある酒屋(=名田酒店)をネット上で見つけたので,さっそく買いに行ってきた.
ネットでは「松山でここでしか購入できない『森の翠』が購入できます」とあったのだが,それがこの無濾過生原酒らしい.

で,飲んでみた感想だが,「芳醇で爽やか」というのが一番近いかもしれない.
最近流行らしい「端麗辛口」の日本酒に比べると甘めで,旨みが濃い感じがする.だけど,飲んだ後に妙にベタベタするという感じではなく,そういう意味ではスッキリしている.

先ほど,おかずを食べながら飲んだときには「これも『あの時の森の翠』じゃない」とガッカリしていたのだが,この記事を書くためにもう一度飲んでみたところ(今度はロック&つまみナシで),この味にかなり近かったような気がしてきた.
以前の印象ではもう少しキレがあったような気がするのだが,森の翠の紹介をしているページによると,今年の分は「昨年度分より少し甘めでまったりとした味わい」らしいので,もしかすると,私が飲んで衝撃を受けたのは同じ銘柄の昨年分だったのだろうか.
だとすると,あの時の味にはもう出会えないのかもしれない.それとも,何年か後には同じような味の酒が再び作られたりするのだろうか.

こういうことを自分の身をもって体験すると,ある種の酒というのは「工業製品」ではなく「生き物」または「職人による作品」なのだと実感してしまう.
まあ,だからといって,「酒との出会いは一期一会だ!」とか言いながら飲んだくれたりするつもりはこれっぽっちもないけどね.