2004年08月17日

ハンドクーラー?

[ Goods]

以前,宮部みゆきの『ステップファザー・ステップ』についてのエントリーを書いたが,そこに収められている短編に「ハンドクーラー」というものが登場する.
ビクトリア朝時代に女性にとって,舞踏会などで手が熱くなっていることは恥ずかしいことだったらしく,それを防ぐために握り締めたガラスや水晶のアクセサリーがそれ.

別に舞踏会に出る予定はないのだが,その記述を読んだ瞬間,「手の中にすっぽり納まる冷たい卵形のガラス」というものが感触つきで想像できてしまい,無性に欲しくなってしまった.

すぐさまネットで探したのだが,国内でハンドクーラーを販売しているところは見つからず,海外でも私が欲しい卵形のものについては見つけることができなかった.

だが,その捜索途中,ハンドクーラーとして使えなくものないものとして,卵形のペーパーウェイトが挙げられていた.こちらならば少し探せば見つかりそうだ,とそのときは思った.

それからしばらくして,大阪に出張する機会があったので,そのついでに百貨店を何軒か回って卵形のペーパーウェイトを探してみた.しかし,なかなか見つからない.

途中からはペーパーウェイトが置いてそうな文房具売り場にこだわらず,「ガラス製で手ごろな大きさの卵形のもの」っぽいものが置いてそうなところを片っ端から回ってみた.
その結果,イメージにピッタリの存在を発見.売り場を確認すると「Baccarat 」とある.バカラットって何?



バカラかい!
そう,それはバカラのクリスタルガラス製の卵だったのだ.
恐る恐る値札を確認してみると,決して手が届かないような高額なものではない.
しかし,単なる手慰みのために出せる金額でもなく,購入は泣く泣く断念.
いつか金が余って余って仕方がないような身分になったら買ってやる!と誓いつつも,そんな日が決してこないことが分かってしまう自分が悲しい...

ということで,その代わりに見つけたのがコレ.

handcooler.JPG

こうやってみると風鈴っぽく見えなくもないが,もう少し厚手のガラスでできており,サイズ的にはMサイズのみかんか,それより一回り小さいくらい.
決して卵形ではなく,想像していたような感触で手のひらにおさまりはしないが,これだけ探し回って何も買わないのも癪だったので,「手が届く価格帯で」一番イメージに近かったものを買ってきたのだ.

レジに持っていったところ,レジを売っていた女性も使途が分からなかったようだが,実はこれ,花瓶なのだ.だから上部に小さな穴が開いていて,中は空洞になっている.
部屋に花を飾る習慣を持っていないので花瓶として使用したことはまだないのだが,この構造から考えるに,それほど背の高い花は入れられない(=倒れてしまう)ので,花瓶としては欠陥品のような気がする.

じゃあ,ハンドクーラーとしてはどうなのかというと,コレも微妙.サイズがちょっと大きいので手のひらへの納まりが少々悪く,中が空洞になっていてガラス部分が少ないためか,すぐに温くなってしまうのだ.

とはいえ,バカラの卵を買うほどの財力があるわけでもないので,そういう日がくるのを夢見つつ,このハンドクーラーっぽい花瓶は今日も研究室で手慰みに使われているのであった.

ちなみにコレを買ったのは7月上旬のこと.
どうして今頃このエントリーを書いたのかというと...