2004年09月18日

『ソウルドロップの幽体研究』上遠野浩平

[ Book]

「生命と同等の価値のある物を盗む」という予告状を出し,傍目にはまったく価値のない物を盗み,同時にその人の命を奪う,怪盗"ペイパーカット"と,彼(?)を追う奇妙な保険調査員 伊佐と千条のお話.

相変わらずの上遠野節が炸裂していて,これまでの作者の作品を読んでいれば非常に楽しめること間違いなし.

しかし,これが初めての上遠野作品という人には「はぁっ?!」となってしまうかもしれない.
話としては単体で完結しているので,他の作品を読んでなくても大丈夫だとは思う.
でも,これまでの作品を知らないと,ペイパーカットの正体とか,伊佐と千条が調査員になるきっかけの事件に登場する女性の正体とかが,思わせぶりなままで終わってしまって消化不良になるかも.

この本は北海道に行く前に買っていたのだが,時間がなくて,読み始め&終えたのはつい先日.
しかし,気がつけば上遠野浩平の新刊が既に販売されているらしい.むぅ,買いに行かねば...