2004年09月29日

『ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー』ビル・ブライソン

[ Book]

書評系のサイトを色々見ていたところ,誰が読んでも楽しめる本として紹介されていたのがこの本.本当だろうかと思って市立図書館で借りてきた.
誰でも楽しめるかどうかについては疑問も残るが,個人的には面白かったし,ネットでもネガティブな書き込みは全く見られないというのも事実.

内容は,18年ぶりにイギリスからアメリカに戻ってきた著者(だからアメリカ人)のカルチャーギャップというか,昔のアメリカ人&現在のイギリス人的視点で見たアメリカのヘンなところ・良いところを毒舌交じりでスケッチしていくという感じ.
これだけだと少し硬い感じがするかもしれない.実際,統計の数字が出てきたり,環境問題やドラッグ問題に対する主張など,硬いところも多々ある.
しかし,技術的なことが全く分からず,しょっちゅうトラブルに巻き込まれ,イギリス人の奥さんに頭が上がらない著者のエピソードと組み合わせて語られるので,ニヤニヤ笑いながら読み進められる.

著者はニューハンプシャー州に住んでいるのだが,一般にアメリカと言われて思い浮かべるような都会的なところではなく,えらく牧歌的なところらしい.
どれくらい牧歌的なのかといえば,「知らない誰かに襲われる確率」よりも「天井」や「下着」で怪我をする確率の方が高いくらい.
それって牧歌的なのか? B級ホラー的という方がふさわしいかも...