2004年10月10日

『瞳の中の大河』沢村凛

[ Book]

「内戦を終了させる」という理想と正義に燃える主人公は,初軍務で野賊に捕われるという失態を犯すが,徐々にその頭角を現していき,ついには平民として最高の階級である「大佐」にまで登りつめる.
しかし,自らこそが正義と信じる野賊と,内戦を終結させようとせず自らの利権を貪る貴族との間で...

以前紹介した『戒』について調べていたときに知った本(同じファンタジーノベル大賞出身).この作品も評価が高かったので,松山市立中央図書館で借りてきた.
『戒』がかなり好みだったので,かなり期待して読んだのだが...期待が高すぎたのかなあ.

決して面白くないわけではないし,400ページ近くを一気に読ませるだけの力はあると思うんだけど,率直に言ってイマイチだった.
ストーリー的にはかなり波乱万丈なんだが,描写が淡々としているためか,盛り上がらないというかなんというか...

ところで,最後まで読んでもタイトルの由来が分からなかった.舞台のほとんどは山(国土の8割が急峻な山という設定)か都で,大河は数シーンしかでてなかったはずだし,それほど印象的なシーンでもなかったと思うんだが.