2004年10月09日

『夢にも思わない』宮部みゆき

[ Book]

夜の庭園で同級生の従姉が殺された.原因は売春組織をめぐるトラブル.そのせいで周囲から白い目で見られるようになった同級生を助けるため,普通のサッカー少年である「僕」とクールな将棋少年(?)である「島崎」は事件について調べ始める...

前作の『今夜は眠れない』と同じ中学生コンビが活躍する作品なのだが,前作のような話を期待していると,最後の方で足払いを喰らうかもしれない.

前作を読んだのはかなり前のことなので,話の細部までは覚えていないのだが,前作は同じ作者の『ステップファザー・ステップ』みたいな感じで,ほんわかした雰囲気があったような気がする.
この作品も基本は同じなのだが...

この感覚,同じ宮部みゆきの何かを読んだときにもあったなあと思い出してみたところ,『誰か』の読後感と似ていることに気がついた.
いや,登場人物のその後を考えると,あれよりもヘビーかも...

切ない話なんかも嫌いじゃないけど,やっぱり私は

“それから みんなは幸せに暮らしました”で 終わる話がええだ

(from『辺境警備』紫堂恭子)

な人のようだ.